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2018.03.30
基礎知識
ハクビシン

見た目の割に危険なハクビシン!被害内容と対策方法を紹介

ハクビシンという名前を聞いたことがあるでしょうか?

タヌキやアライグマに似た姿をしているため、見間違われることも多いですが、実は全国各地で被害報告が出されており、毎年数千匹が処分されている立派な害獣なのです。

見た目の可愛さからつい近づいてしまう人もいますが、実は人体に危害を加える恐れもあるため注意が必要です。今回はそんなハクビシンについて、どんな危険があるのか、どう対策すればいいのかを紹介していきます。この記事を参考にしてはハクビシン被害を抑えてください。

ハクビシンとは?

ハクビシンとは、食肉目ジャコウネカ科ハクビシン属に分類される動物です。日本に生息するジャコウネカ科は唯一ハクビシンのため、外来種とも考えられています。漢字で書くと「白鼻芯」と書きますが、字の通り顔の中央、額から鼻にかけて白い線のような模様があるのが特徴です。

生態の体長が約50cmなのに対して、尻尾が約40cmと長いのも見た目の大きな特徴となります。主に東南アジアや中国で生息しており、日本で発見された記憶が残っているのは1943年となっていますが、江戸時代の文献に似た特徴の動物が出てくるため、在来種か外来種かは確定されていません。そのため外来生物法という法律に基づく特定外来生物に指定されておらす、駆除対象になっていませんが、鳥獣保護法という法律で狩猟獣に指定されています。

害獣という地方に出現するイメージなどもありますが、最近では都心の環境に順応しており、都会での目撃情報や被害情報が増えています。側溝などを上手く住処にしたり、飲食店などから出る生ごみなどを餌にして都会で大繁殖し、都会での生息数はタヌキよりも多いと言われています。

ハクビシンの生態

ハクビシンがどんな習性をもつ動物なのか紹介していきます。

雑食性で何でも食べる

ハクビシンは雑食性で果物でも肉でもなんでも食べてしまいます。小動物や昆虫なども口にしますが、中でも果物など糖度の高いものを好みます。そのため、どこでも餌を見つけて生きていけるのが大量繁殖した理由の一つともいわれています。

木登りが得意

ハクビシンは高い運動能力を持っており、垂直に1メートル以上もジャンプすることができ、垂直な木や柱も難なく上っていきます。そのため庭にある木や雨どいなどを垂直に上って家屋に侵入するケースも多いのです。ちなみにハクビシンは木の上に巣を作ります。

綱渡りも得意

木登りと並んでハクビシンが得意なのが綱渡り。細いワイヤ―や弛みのあるロープの上だって、難なく歩いて移動できます。そのため電話線や気の枝を固定する針金も侵入経路となるため、他の動物に比べても侵入できる経路の可能性が広いのです。

高い繁殖能力

ハクビシンの被害が増えている要因の一つが高い繁殖能力です。2ヶ月の妊娠期間で1度に3~5頭の赤ちゃんを出産します。繁殖時期に関してはまだ不明な点も多いですが、個体によっては年間を通じて発情し交尾するのが確認されています。そして最も脅威なのが生後10か月で交尾・出産ができるようになるため、家屋に住み着かれると数年で大繁殖してしまうのです。

また自然の中では他の動物に襲われそこまで繁殖できなかったハクビシンですが、家屋に浸入するようになり、他の動物に襲われる危険性が減ったのもここまで繁殖した理由の一つです。早ければ家屋に住み着いてから1か月で子作りを始めます。

夜行性で昼は巣穴にこもる

ハクビシンがこれまであまり知名度があがらなかった理由に夜行性であることがあげられます。日中は巣穴などにこもり、夜になると餌を探して出歩くため、あまり人前に姿を現すことはありません。夜の間に農作物を荒らされた場合は、足跡などから犯人と特定するしかないのです。

同じ場所で糞尿をする

ハクビシンは同じ場所で糞尿を繰り返す、溜めグソと呼ばれる習性があります。山の中でトイレをしてもらうには問題ありませんが家屋に侵入されて糞を溜められると大問題です。

ハクビシンの糞には特徴があり、丸くて長く、果実などを好んで食べていることから、糞に果実の種子が多く混じっている場合があります。もし家の近くなどで果実の種子が混じっている糞を見つけたら近くにハクビシンが住んでいるかもしれません。

沖縄以外の日本全国に生息

ハクビシンは縄張り意識というものが低く、長期的に同じ場所に留まっているわけではありません。そのためエサや住処を求めて全国各地に渡っており、日本全国で目撃情報があります。田舎でも都会でもそれぞれの環境に適応して生活しているため、自分の家の周りにはいないだろうと油断しないようにしましょう。

ハクビシンによる被害~生活編~

ハクビシンの生態について説明してきましたが、具体的にどんな被害があるのか紹介していきます。

家屋に巣を作られ住宅被害

ハクビシンはあらゆるものを使って巣を作りますが、家の材料に使われている断熱材もよく巣の材料に使われるものの一つです。通常ハクビシンは木の上に巣を作りますが、子供たちをカラスに襲われる危険性も高いため安心して子育てができません。その点屋根裏などは他の動物に襲われる心配がなく、巣を作るための材料がそろっている最適な環境なのです。

ハクビシンの巣に使われた断熱材は、もちろん全て撤去しなければなりません。ベッドやトイレの代わりとして使われた断熱材は害虫と菌が繁殖して使い物にならなくなるのです。ひどい場合には屋根裏の断熱材を総とっかえするケースもあるほどです。

家屋への被害はそれだけにとどまらず、資産価値を低下させることにも繋がります。家をボロボロにされて売りに出そうと思っても高く売れなくなってしまいます。

家屋をトイレにされる糞尿被害

ハクビシンは同じ場所に繰り返し糞尿をする溜めグソという習性があるため、一度家屋を住処にされてしまうと屋根裏は糞だらけになってしまいます。ひどい場合にはその悪臭によって異変に気付き、専門業者へ依頼するケースもあります。

ハクビシンは一度にコップ一杯程度の尿を出すため、天井から染み出て、したたり落ちてくることもあります。また溜められた糞の周りは雑菌が繁殖し、天井の材木が腐敗することにより天井が抜けて糞ごと落ちてくるという事態も。糞によって繁殖した雑菌は天井のわずかなすき間から漏れ出し、生活空間を犯すこともあります。気付かぬうちに喘息や感染症の原因になることもあるため大変厄介です。

騒音被害

ハクビシンは夜行性のため、人が寝静まるころに屋根裏の上を走り回ります。犬や猫が動き回るほどの重量感の音が響き渡るため、ストレスで眠れなくなる人もいます。さらにその音で飼っている犬が吠えだすなど、騒々しくて余計眠れなくなります。屋根裏に動物がいる気配がしたらすぐに専門業者に連絡しましょう。

農作物への被害

農家にとって一番頭を悩ませるのが、農作物への被害でしょう。常に動物への対策はしていても、木登りや綱渡りの名人であるハクビシンは並大抵の対策では防ぎきれません。特に糖度の高い果物はハクビシンの大好物なので、栽培している農家さんは注意が必要です。

ペットが襲われる被害

雑食性のハクビシンが餌にするのは野菜や果物だけではありません。小動物を餌にしてしまうハクビシンは庭先で飼っている魚や、小鳥や亀なども食べてしまいます。小動物に限らず犬や猫が襲われけがをさせられるケースもあるため、庭先でペットを飼っている飼い主は注意しましょう。

ハクビシンによる被害~健康編~

ハクビシンの被害は生活環境だけでなく、人体にまで影響があります。放っておくと大変なことになるので正しい対処をしましょう。

病原菌による感染症

ハクビシンの身体にはさまざまな病原菌がついているため、直接接触した場合でなくても菌が感染してしまう恐れがあります。またさらに厄介なのは、ハクビシン本体だけでなく、糞にも病原菌が多いので、気付かずに糞から感染される恐れもあることです。

ノミ・ダニによる感染症

ハクビシンが運ぶのは病原菌だけでなく、ノミやダニも運んできます。外で見かけただけでも危険ですが、家に住み着かれた場合、室内でダニが繁殖し気付かずに人に被害を与えている可能性もあるのです。

ノミやダニに噛まれると1週間は痛みや痒みに悩まされます。ベッドやソファをいくら掃除しても、ハクビシンを駆除しなければノミとダニがいなくなることもありません。さらにノミとダニの死骸はアレルギーの原因となって喘息やアトピー皮膚炎にまで被害が拡大する場合もあります。

ちなみにダニによる被害はハクビシン自身も受けています。ヒゼンダニという種類のダニがハクビシンに感染すると疥癬(かいせん)という病気にかかります。人間がかかると赤いぶつぶつが出るなどの症状がありますが、ハクビシンがかかると毛が抜け落ち、脱毛・衰弱といった症状がみられ最悪死に至るケースもあるのです。弱っているハクビシンを見かけても、可愛そうかもしれませんが感染のおそれがあるため近づかないようにしましょう。

ペットへの健康被害も

ハクビシンが庭先で飼っているペットを襲うこともあると説明しましたが、直接襲わずともハクビシンが持っているノミやダニ、感染症がペットに移ることもあるのです。もしペットがノミに刺された場合には痒みによって掻きむしり、皮膚炎や脱毛という事態に陥ります。

ペットへの被害はハクビシンによるものと特定しづらいですが、もし家の周りでハクビシンを見かけたら、ペットを守るためにも早めの対策を打ちましょう。

ハクビシンの見分け方

ハクビシンの姿は、実はアライグマやタヌキと似ており見間違われるケースも多いです。ハクビシンは顔に特徴的な白い模様があるので顔さえみれば分かるのですが、それ以外でハクビシンだと分かるポイントを紹介します。参考にしてください。

足跡での見分け方

ハクビシンの足跡は丸っぽい掌にはんこのような5つの肉球の跡が見られます。サイズにして約5~6cmくらいです。アライグマは手のひらと指が離れませんし、タヌキは4本の指の跡がつきます。畑などで足跡を見つけたらどの動物か考えてみましょう。

農作物の食べ方の見分け方

ハクビシンとアライグマ、タヌキは姿形も似ていますが、雑食で何でも食べるところも似ています。そのため農作物の被害に遭ってもどの動物の被害に遭ったのかすぐにはわかりません。しかし同じものを食べても食べ方を見ればどの動物の被害なのかが分かるのです。

一番分かりやすいのはとうもろこし。アライグマやタヌキがクキを完全に倒して食べるのに対して、ハクビシンはクキを完全には折らず横倒しにならないように食べます。またミカンやイチゴを食べられた時に、ヘタや内皮が周りに吐き出されていたらハクビシンの仕業です。

自分でできるハクビシン対策

ハクビシンを家の近くで見かけた、家の中にいるサインを見つけた場合にはすぐに対策が必要です。しかし、ハクビシンは人に害をもたらす害獣であると同時に、国が定める「鳥獣保護管理法」という法律の中で保護の対象ともなっています。そのため一般の方が被害に遭ったからと言って勝手に捕獲をしたり処分することができないのです。また捕獲をするにしても道具や方法にも規制があるため、勝手な判断でハクビシンに対象することはできません。

鳥獣保護管理法に違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という罰則もつきます。そのため自分でできるハクビシンの対策というのは、家にハクビシンが侵入してこない、寄せ付けないためのものであって、すでに住み着いているハクビシンに対してのものではありません。既にハクビシンが家屋にいる場合はすぐに専門業者に依頼しましょう。

ハクビシンの餌を家の周りに放置しない

ハクビシンに限らず、野生動物は餌を求めて歩き回っています。そのため、家の周りに餌場となるような環境があれば、ハクビシンが近寄る原因となり家屋にも侵入されやすくなります。雑食性のハクビシンを近づけないようにするためにも、家の周りにハクビシンのエサになるものが放置されていないかチェックしましょう。

まず代表的なのは生ごみです。カラス除けのネットの下にいれていてもハクビシンは袋をあけてゴミを漁りにきます。特にハクビシンは夜行性のため、ごみの日の前の晩から放置していると夜の間にハクビシンがやってきて餌にしてしまうこともあるのです。そんな事態を避けるためにゴミは決められた日の朝に出しましょう。

近くに果樹園や果物の木が生えてる場合も要注意です。熟した果物を狙ったハクビシンが近づいてきますし、落ちた果物を放置しておくとハクビシンをはじめとした害獣を集めることになります。果物はしっかり収穫し、落ちた果物は放置せずに掃除するのがおすすめです。

見通しを悪くする落ち葉や雑草を放置しない

警戒心の強いハクビシンは見晴らしのいい場所をさけ、人目を避けるように行動します。そのため家の周りに背の高い草が生えてる草むらや、落ち葉が積もっている道があると、ハクビシンの恰好の通り道にされます。

もし家の周りの側溝や庭先に落ち葉が積もっていたり、雑草が生えている場合、こまめに掃除して見晴らしのいい環境をキープしましょう。ハクビシンが近づかないほか、近づいてきても気づきやすくなります。

背の高い木は切る

ハクビシンは高い所まで木に登れるため、家の近くの木を使って屋根裏などに侵入してきます。そのため侵入経路となるような木は剪定しておきましょう。逆に言えばハクビシンは垂直にジャンプしても1m程度なので伝うものがなければ、家の屋根には上れないのです。

ハクビシンが歩けない工夫をする

庭先の木であれば自分の力でどうにかすることもできますが、隣の家の天井が近い場合にどうすることもできません。そんな時に効果的なのが「バードスパイク」といった動物の歩行を困難にする装置です。もともとは鳥よけの道具ですが、屋根の上につけることでハクビシンが近づけなくする効果もあります。

侵入口を塞ぐ

ハクビシンは3cmほどの穴があれば侵入できるので、侵入口となる穴という穴をふさがなければなりません。その時注意したいのが中途半端な塞ぎ方だと強引に空けられてしまうので、金網などを使って強固に固める必要があります。

まだ穴ができていなくても、壊れかけている壁や瓦はハクビシンが壊して侵入してくる恐れがあるため、必ず補強しておきましょう。今は侵入口を塞ぐスプレータイプの物もあるので、場所に適したアイテムを使うのがおすすめです。

素人目でハクビシンの侵入経路となる部分を見極めるのは難しいので、一度専門業者に見てもらって家の弱点になる部分を洗いだしてもらうのもいいでしょう。間違ってハクビシンが家にいる状態で塞いでしまうと家の中で餓死して不衛生になるため、業者に見てもらってから塞ぐと安心です。特に一度住み着かれた後は、戻ってくる可能性が高いため強固に固めなければなりません。

忌避剤を使う

ハクビシンは嗅覚がすぐれているため、嫌な臭いがする場所には近づけません。その習性を利用してハクビシンの嫌いな匂いを置いておけばハクビシン対策になるのです。ハクビシンが嫌いな匂いは唐辛子やにんにくの匂いです。唐辛子の主成分であるカプサイシンを使った忌避剤を庭先で吊るしておくとハクビシンが家によってきません。

炭を作る際に出た煙を冷却して液体にした「木酢液」もハクビシンに効果的です。ハクビシンに限らず野生動物は山火事を連想するため、近づかなくなるのです。

オオカミのおしっこを使う

オオカミのおしっこもハクビシンが嫌がる匂いの代表例です。天敵であるオオカミがいる場所にはハクビシンも近づけません。特にオオカミのおしっこは脳の本能に近い部分に作用するので、匂いに慣れるということもないのです。

しかし、オオカミのおしっこなんてどうやって手にすればいいか分かりませんよね。実は海外では「ウルフピー」といって、害獣除けとしてメジャーな市販アイテムで、国内でも簡単に購入することができます。

燻煙剤を使う

ハクビシンが家にいるかもしれないと不安を持ったら、侵入口を塞ぐ前に燻煙剤を使ってハクビシンを追い出すのが効果的です。煙を使って家の中からハクビシンをいぶり出すので、追い出すことができます。

燻煙剤を使う時の注意点としては脱出口の近い場所で使うと、ハクビシンを脱出口から遠ざけてしまい、結局追い出せないということになりかねないので、脱出口から遠いところで使いましょう。複数の燻煙剤を使う時も脱出口から遠いところから順に煙を出すと効果的に追い出すことができます。

電気柵を使う

農作物への被害に困っている方へは電気柵の利用がおすすめです。害獣対策で畑などの周りに柵を張っている農家さんは多いですが、運動神経の高いハクビシンでは簡単に乗り越えられてしまいます。そのため、触れると電気が流れる電気柵を使うと、感電によってハクビシンが近寄らなくなります。

電気柵に流れる電流はそこまで危険ではなく、人が触れてもビリッとしますが、けがをするほどのものではありません。ハクビシンも電気柵によって命を奪われることはありませんが、危険な場所だと学習させることによって近づかなくなるのです。

ハクビシン対策を専門業者に依頼する

急いでハクビシンの被害を抑えたい場合には、自治体や専門業に依頼すのがおすすめです。近づくだけで感染症の恐れなどがあるハクビシンなので、一般の方は無理をしないでプロお願いするのがいいでしょう。自治体によって駆除に関する細かい規定が異なるため、心配な場合は自治体に確認しましょう。自治体によってはハクビシン対策に力を入れている自治体もあり、箱罠の設置などを行ってくれる場合もあります。一度、自分の住んでる地域の自治体がハクビシン対策にどんなことをしてくれるのか、HPを見て確認するのもおすすめです。

プロのハクビシン対策

まずはプロのハクビシン駆除業車が実際にどんなことをしてくれるか紹介します。もちろん業者によってやり方も違うため、詳しくは実際に電話して確認してください。

現地調査

ハクビシンの駆除を業者に依頼するとまずはじめに行うのが現地調査です。被害情報のヒアリングはもちろん、実際に被害に遭った場所を見て、巣を作られているのか、どんな経路で侵入しているのかで、どんな駆除作業が必要になるか見積もりを出してくれます。

場合によっては家だけでなく、家の周りの環境もみながら、その家だけの被害なのか周辺地域全体に被害があるかも確認して総合的に対策を練ってくれるでしょう。時間にして30分~2時間ほどかかります。

駆除・対策

ハクビシン対策の主な作業には「追い出し」と「捕獲」の2つがあります。被害状況と依頼主の要望によって作業内容が変わってきます。

追い出しの場合は忌避剤や燻煙剤を使って既に家屋にいるハクビシンを家から追い出してくれます。ここまでは自力でやるのとさほど効果は変わりませんが、プロの腕の見せ所はこの後です。追い出したハクビシンが戻ってこないように、侵入経路を塞いでいくのですが、どこが侵入経路になりうるか見定めるのは素人目では難しいのです。熟練業者ほど徹底的に穴を塞いでくれるため再発防止に繋がります。

犯人を目で確認して安心したいと要望があれば捕獲という手もあります。移動ルートを見定めながら、罠をはりハクビシンを捕まえます。ハクビシンの捕獲駆除には自治体への申請が必要なので、申請の代行も行ってくれます。捕獲したハクビシンは業者の手によって殺処分してもらえます。

二次被害対策

ハクビシンによる被害は、ハクビシン自体を捕まえるだけでは終わりません。ハクビシンが溜めた糞尿によって病原菌が散漫したり、ノミやダニが残っていることもよくあるのです。業者に依頼した場合は、それらの清掃作業もおこなってくれます。糞尿が溜まっていた場合には特に消毒してもらいましょう。断熱材や天井の材木がボロボロにされた場合は、別途リフォーム会社などで修理してもらってください。

 

ハクビシン対策の料金相場

ハクビシンの駆除を依頼した場合の料金の相場ですが、あまりに幅が広く一概にこの程度というのは難しいでしょう。専門業者のHPを見ると15,000円~と謳っている業者も多いですが、オプションなどが加わりそんな安くすむことはほとんどありません。家や被害状況によっても変わりますが10万円前後を覚悟しておくといいでしょう。

さまざまなポイントによって駆除料金が変わるハクビシンの駆除ですが、どんなポイントで料金が変わるのか紹介します。まず家の広さや構造、侵入口となる穴の数が影響してきます。家が広く屋根裏などの高所での作業がメインになると、使用する薬剤や侵入口を塞ぐ材料費がかかるほか、作業が複雑になるため高額になります。

また、追い出しだけでなく捕獲を依頼するとそれだけ高額にもなります。追い出しに比べて「害獣捕獲申請代行」「罠の設置」「捕獲後の処理」でお金が発生するためです。捕獲したほうが再発の心配が少なくなるため安心ですが、追い出しと再侵入防止のみで依頼したほうが費用を抑えることができます。

優良業者の選び方

ハクビシンの駆除に対応している業者は数多くありますが、どの業者を選んでもいいわけではありません。ここでは安心できる業者の選び方も紹介します。

まずは都道府県から許可を得ている業者かを確認しましょう。先述しましたがハクビシンは許可を得た人しか捕獲駆除できないため、許可なく駆除を行っている業者はその時点で違法となります。

また事前調査で具体的に被害状況やどんな駆除作業を行うか説明してくれない業者も怪しいです。頼んでいない作業を行い、結果的に高額になるケースもあります。通常は無料での事前調査の結果で見積もりを出してくれますが、見積もりを出してくれない業者や異様に安く、見積もりに不明確な項目がある場合には注意しましょう。後から追加で請求される危険性もあります。

最後に確認して欲しいのは保証制度です。通常は被害が再発しないようアフターフォローしてくれますが、その自信は保証制度にでます。10年の保証をしてくれる業者もあるので、それだけ長い間ケアしてくれるのは自信の表れです。逆に保証制度がない業者は一時的な対策しかしてくれない可能性もあるので注意しましょう。保証制度に関してHPに載せていない可能性もあるので、電話した時や事前調査の時など、作業に入る前に必ず確認するようにしましょう。

ハクビシンは自分で捕獲できないため専門業者に依頼を

ハクビシンはその被害の多さの割に、一般人が捕獲できない厄介な害獣です。しかし自分で手を出せないからいって放置しておくと、糞害によって家を滅茶苦茶にする危険性も高いことは分かってもらえたと思います。ハクビシンの気配を感じたらできるだけ早く専門業者に連絡しましょう。

自分で捕獲できないのもそうですが、ハクビシンの対策には専門的な知識と経験が必要です。素人が頑張っても一時的な効果だけで、すぐにまたハクビシンが戻ってくる可能性もあるのです。何度もハクビシンの気配におびえるくらいなら、専門業者に徹底的に対策した方が無駄な出費と精神的苦痛がなくて済むでしょう。

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