コラム
COLUMN
2017.01.12
駆除業者の選び方
ゴキブリ

家庭で出来るゴキブリ対策とプロ(害虫駆除業者)が行う駆除の違い

虫嫌いの方はもちろん、カサカサという音と共にすばしっこく動くゴキブリは多くの方々を悩ませる害虫です。 神出鬼没に現れて、慌てている間に逃げられてしまった…という経験のある方も多いのではないでしょうか?そのうえ、「ゴキブリを1匹見たら、100匹いると思え」と言われていることから、「今すぐにでも対策したい」と考えます。そこで、幅広い視点で行えるゴキブリ対策についてご紹介します。  

目次

そもそもゴキブリとは?

男女問わず多くの方々に嫌われているゴキブリ。その歴史は古く、2億5千万年前から存在していたといわれている最古の虫です。強い生命力をもったゴキブリには、いくつかの種類があります。

ゴキブリの種類

クロゴキブリ

その名の通り黒光りしている体長30~40mmほどのゴキブリで、主に関東から西側に生息しています。一般家庭に出没することが多く、ベランダや植木鉢の下、段ボールなどにも潜伏しています。(成虫の寿命は6ヶ月~1年ほど)

ヤマトゴキブリ

屋外にも出没する日本国有種で、北海道や東北から関西に生息するゴキブリです。体長は25~35mmほどで、メスは腹部の半分くらいしか羽がないのが特徴的です。(成長の寿命は6ヶ月~1年ほど)

ワモンゴキブリ

暖かい場所を好み、下水処理場、ゴミの埋め立て地などにも出没し、体長は35~45mmと屋内のゴキブリのなかで最も大きいタイプ。もともとは九州から沖縄と温暖な地域に生息していましたが、住居の温暖化によって全国的に広がっています。(成長の寿命は6ヶ月~1年ほど)

チャバネゴキブリ

体長は11~15mmと小さく、黄褐色しているゴキブリです。全国的に分布していますが、飲食店やビル、ホテル、マンションなどの暖かい場所でよく見られます。最近では薬剤に対して耐性をもったものも出ているやっかいなタイプも出現しています。(成長の寿命は3~6ヶ月ほど)

ゴキブリが好む場所や生態

どのタイプのゴキブリも、暗くて暖かく、湿気や水、エサの多い場所やすき間が大好き。繁殖性が高く集団で生息し、夜行性で壁に沿って歩くのが特徴的です。また、何でも食べる雑食系で、壁紙や本といった紙や、仲間のフンさえも食べるほど。いろいろな物をかじり、傷付けることもしばしばあります。

ゴキブリによる害とは?

ゴキブリは見た目の不快感だけでなく、サルモネラ菌や赤痢菌などの病原菌も運んできて感染症や食中毒の原因になるため衛生的にも注意しなければなりません。また、死骸やフンなどがアレルゲンになる場合も…。さらに、電話機やテレビなど電化製品の中に潜んでいる場合は、コード類をかじってショートなどトラブルの原因にもなります。

ゴキブリの侵入経路

ゴキブリ対策というと、噴射タイプの殺虫剤や「ごきぶりホイホイ」のように捕獲するものなどを用意する、というイメージをもっている方は多いと思います。確かにそれも大事なのですが、実はそれ以上に大切なポイントがあります。

ゴキブリの侵入経路を遮断する

これは、ゴキブリだけに限らず蚊やハエなどの害虫の多くにいえることですが、家の中に入ってくる穴を塞いで侵入経路を遮断することが対策の基本です。殺虫剤や捕獲剤などは侵入された後の対策に過ぎず、まずは「侵入させない」ことが重要です。 私たちの住まいには、想像以上にゴキブリがいとも簡単に入って来られる穴が存在しています。これらの穴は、ゴキブリに「どうぞ入って来ていいですよ」と許しているといってもいいくらいです。では、住居のどんな穴をチェックしたら良いのでしょうか?

どこから入る?ゴキブリの侵入経路を知る

トイレや洗面、キッチンなどの水周り

ゴキブリは、上下水道に通じている穴によって侵入してきます。具体的には、洗面所やキッチンのシンク、洗濯機やお風呂の排水口、トイレなどが挙げられます。

例えば、洗面所やキッチンのシンク下にあるパイプをチェックしてみましょう。これがU字パイプでしたら、ゴキブリの侵入を防いでいることになります。これは、パイプの途中に水をためることで、上がって来られないようにしているためです。 また、意外に思われがちですが、トイレは通常ゴキブリ対策いらずといわれています。先ほどのU字パイプと同じような原理で、トイレの穴は水で満たされているため下水からゴキブリが上がれないつくりになっているのです。

しかし、新築など穴に水がたまっていないときは、トイレからゴキブリが侵入してしまいます。 このように、常に水をためることでゴキブリの侵入を防げる場所はまだしも、洗濯機やお風呂の排水口となるとそういうわけにはいきません。水が流れていないときは侵入しやすい状態、と考えていいでしょう。

さらに、排水管を通すために床などを開けた穴には隙間ができていませんか?ゴキブリは狭い隙間でも入ってきますので、穴と排水管の隙間はパテなどを使ってしっかり塞いでおく必要があります。

通気口や換気扇

通気口や換気扇など空気を通すための穴も、ゴキブリにとっては侵入経路のひとつとなります。しかし、これらの穴を塞ぐわけにはいきません。ホコリや油汚れを防ぐことが目的で販売されているフィルターは、網目が細かいことからゴキブリの侵入対策にもなります。

玄関や窓

玄関や窓も塞ぐことが不可能な穴ですが、こちらもゴキブリの通り道です。大きいだけに難しいのですが、ドアを開けっ放しにしない、窓は網戸を活用する、玄関や窓の周辺にゴキブリが嫌がる忌避剤などを利用して近寄せない工夫などが大切です。 また、網戸をしているのに蚊などが入って来る場合は、網戸に隙間があるのかもしれません。このような隙間でもゴキブリは侵入してきますので、しっかり隙間対策を行いましょう。

意外なところもゴキブリの侵入経路に…

スーパー等の宅配サービスやネットショッピングなどを活用している人は、宅配用のコンテナやカゴ、梱包されている段ボールなどにゴキブリの卵や幼虫などが付着しているケースもあるため注意が必要です。倉庫やスーパーなどは暗く適度な湿り気もあるため、ゴキブリにとって最適な環境で巣をつくりやすい条件が揃っています。

また、飲食店の厨房なども、ゴキブリが発生しやすい場所。スーパー、倉庫、飲食店などで働いている方は、靴の裏や制服などを通じて知らないうちに持ち帰ってしまうこともあるため、しっかり払ってから家の中に入りましょう。

さらに、買ってきた植木鉢などには、土の中にゴキブリの卵が産みつけられていることも…。地面から繋がっているベランダの排水管なども要注意です。ベランダに侵入したゴキブリが、「今か今か…」と侵入するタイミングを狙っているかもしれません。

なぜ、ゴキブリは侵入するの?侵入には理由がある

ところで、なぜゴキブリは侵入するのでしょうか?その原因や行動パターンを知ることが、ゴキブリ対策への近道となります。

ニオイを覚えてエサや水を求める行動

実は、ゴキブリはとても嗅覚に優れている生き物です。しかも、一度覚えたニオイを記憶する学習能力があるといわれています。そのため、一度エサのある場所を見つけると、たとえ誘導するニオイがなくても侵入しようとするのです。

生きるための行動

ゴキブリは寒いのが苦手。人間と同じくらい、28℃くらいを好みます。反対に7℃以下では成長することができず、マイナス5℃~10℃以下になると死んでしまいます。さらに、乾燥に弱く、適度な湿度がないと生きることができません。そこで、ゴキブリは秋くらいから生命維持のために暖かくて適度な湿度のある家に侵入したがるのです。

子孫繁栄のための求愛行動

ゴキブリは、求愛のときにフェロモンを発します。メスが放ったフェロモンにつられて、オスのゴキブリが求愛にやってきます。オスのニオイによって、メスが寄ってくる、というパターンもあります。そのため、1匹のゴキブリの侵入によってゴキブリが増え、巣をつくり繁殖してしまう、というスパイラルに陥るのです。

しかも、このフェロモンはフンの中に含まれています。ゴキブリ対策のためには、フンもしっかり掃除する必要がある、といわれているのはこのような背景によるものです。 さらに、侵入したゴキブリは、「ここが巣作りにぴったりの場所」と判断すると、集合フェロモンを出して仲間を呼び、さらに多くのゴキブリがやってきてしまいます。

ちなみに、このフェロモンは数キロ先の距離でも届くといわれているほど。先述した「ゴキブリ1匹見たら100匹」というのは、ゴキブリのこのような行動パターンがあるからなのです。

ゴキブリを見つけたときの対処法

「うわー、ゴキブリ!」…あまりにも突然に出没するゴキブリ。ただでさえビックリしてしまううえに、あのすばしっこい動きに翻弄され、オロオロしているうちに見失い、気になって眠れない、というパターンは多いものです。

身近なものを使う場合

ゴキブリは、見つけたときに仕留めるのがベストです。といっても、すぐ近くに殺虫剤があるとは限りません。そんなときは、身近なものを活用してください。 代表的なのは、丸めた新聞やスリッパで叩くこと。そのときのコツは、ゴキブリの前方から狙って、触角に触れないようにすることです。よく「ゴキブリが自分に向かってきた」と焦ることがありますが、ゴキブリは前にしか進めない習性があります。反対に、後ろから狙おうとすると、お尻に風を察知する機能があるため逃げられてしまいます。冷静に狙いを定めた一発で勝負!です。

ただし、この方法は女性や虫が苦手な方には難しいかもしれません。そんなときには、熱湯や洗剤をかけることも効果的です。ゴキブリは自ら体温調整ができないため、100℃の熱湯をかけると即死します。ただし、ゴキブリの真上からたっぷりかけることがポイントで、量が少ないと効果がありません。ヤケドしないように、注意もしてください。

一方の洗剤は、殺虫剤感覚で使える方法です。液体状の石けんや食器洗い用の洗剤などをゴキブリの腹部に向かってかけます。これにより、腹部にある空気の通り道を塞いで窒息死させますので、熱湯のように真上からかける必要もなく、ゴキブリとの距離も保てます。デメリットは、死ぬまでに時間がかかるため、ときには逃げられる場合もあることです。

他にも、掃除機で吸う、ドライヤーの熱風を当てる、本や濡れタオルを投げつけるなど、いろいろな方法もあります。掃除機で吸い込んだ場合は、ゴキブリが一時的に気絶している状態です。そのため、取りはずした紙パックに殺虫剤をかけることを忘れないようにしてください。また、ドライヤーの熱は熱湯に比べて低いため、死んだかどうかの判断が難しい場合も…。本やタオルの場合も、しっかり命中させないとゴソゴソと這い出てきたり、見事に潰せたとしてもその後の後始末がネックとなります。

殺虫剤を使う場合

現れたゴキブリに向かって、シューッと噴射する殺虫剤。その多くは、「イミプロトリン」といわれる殺虫成分が含まれ、飛ぶ力を抑えるのと同時に即効性が高いといわれています。市販品でいえば、「ゴキジェットプロ」「ゴキブリフマキラー」「ダブルジェット」「ゴキブリハンター」などが挙げられます。

この「イミプロトリン」をはじめとする「ピレスロイド系」の殺虫剤は、人体や動物などの影響は少ない、といわれています。しかし、「日本中毒情報センター」によると、この成分が気管に入ると化学作用による肺炎を引き起こす可能性があると指摘もされています。そのため、これらの殺虫剤を使った後は、室内の換気を十分に行ってください。

また、魚にとっては有害物質となるため、水槽の近くでは使わないように注意しましょう。 さらに最近では、殺虫成分を含まずに、冷気によって凍結させて動けなくする凍殺タイプも登場しています。しかし、このタイプでは、まだゴキブリが死んでいないので要注意。冷気が解けたあとに、またゴキブリが動く可能性もあるため、どうやって殺すか?を考えておく必要があります。

見失ってしまった場合

それでも、隙間に逃げ隠れたゴキブリを見失ってしまうこと…ありますよね? そんなときは、あきらめずに“寝る前までにできる対策”を行っておくことが大切です。 隙間に隠れたゴキブリは巣に帰りますが、また寝静まった頃を見計らって出てくる可能性があります。そのため、隠れた場所に殺虫剤をかけておきましょう。床だけでなく、壁などゴキブリが通りそうな場所にかけておくのがオススメです。

待ち伏せタイプ」の殺虫剤なら即効性もありますし、たとえ致死量に至らなかった場合でもゴキブリに「ここは危ない」と退散させる効果も期待できます。 トイレやお風呂場、キッチンなどでしたら、ドアを閉めてゴキブリのいる空間を密閉状態にして殺虫剤をかける、というのも手段のひとつです。殺虫剤によって苦しくなったゴキブリがヨロヨロと出てくることがあります。そのタイミングで、スプレーしてください。

また、ゴキブリは夜行性ですので明るい場所を嫌います。部屋の電気をつけておくことで、一時的ですが隠れたゴキブリをウロウロさせない、という点で多少の期待はできそうです。もちろん、翌日にはゴキブリ対策を行うこともお忘れなく。

死骸はどう後始末したらいいの?

実際にゴキブリを仕留めたはいいけれども、その死骸の後処理に悩んだこと、ありませんか?しかも、ゴキブリは死んだふりをする、という知能犯。通常ゴキブリは仰向けになって死ぬといわれていますが、まずは仰向けやうつ伏せといった状態に関係なく、しっかり死んでいることを確認しましょう。殺虫剤をスプレーしても動かないようでしたら、死んでいる証です。

一般的な死骸処理といえば、ティッシュなど紙にくるんでゴミ箱に捨てる方法です。しかし、ゴキブリのメスは死ぬ直前に卵を産むことがあるのです。ゴミ箱に捨ててから念のため殺虫剤を吹きかけてから、ゴミ袋の口をしっかり閉じることも忘れないでください。床なども洗剤をつけた雑巾でしっかり拭いて、卵が残らないようにご注意ください。

また、ティッシュなどでは指への感触があってイヤ、という方も多いでしょう。 そんな方は、掃除機で吸い取ったり、ガムテープやコロコロに貼りつけたり、ドライヤーの風やほうきで追いやるなどといった方法もあります。距離を置きながら、ゴキブリなどの死骸を処理できる器具も市販されているくらいです。 いずれの方法でも、死骸はきちんと密閉して捨てることがお約束。掃除機の紙パックも、すぐに処理してください。死骸をそのまま放置しておくと、他のゴキブリへのエサになることも考えられます。ゴキブリの通り道は病原菌の温床になりやすいため、きれいに拭き取りましょう。

何がいい?いろいろあるゴキブリ対策グッズ

ドラッグストアやスーパーに行くと、様々なゴキブリ対策グッズが登場しています。「毒エサタイプ」や、煙をたく「燻製剤タイプ」、「待ち伏せタイプ」…と種類がありすぎて、どれを買っていいのか悩んでしまう方も多そうです。そこで、目的や用途に応じて選ぶ方法をご紹介します。

死骸を見ずに、巣も一緒に駆除したい場合

ブラックキャップ」「コンバット」「ホウ酸だんご」などをはじめとする「毒エサタイプ」がオススメです。薬剤を食べたゴキブリの神経を少しずつ弱らせていき、巣や隙間の陰で死に至らしめます。毒エサタイプの特長は、排泄したフンにも殺虫成分が含まれるため、そのフンや死骸を食べた仲間のゴキブリも駆除することが可能という点です。

なかでも「フィプロニル」が有効成分の「ブラックキャップ」においては、薬剤の抵抗をもったチャバネゴキブリにも効果的といわれ、メスが薬剤を食べたときには中の卵にも効果的。そのため、巣に帰ったゴキブリはもちろん、仲間のゴキブリまで巣を丸ごと駆除することが可能です。 毒エサという名前の通り、ゴキブリをおびき寄せるニオイによって誘いますが、ゴキブリがいそうな冷蔵庫の裏や、シンク下にある棚、電子レンジの裏などいくつかの場所に置いておくことで効き目が高くなります。

家の中全体をまとめて駆除したい場合

バルサン」などの「くん煙剤」や「くん蒸剤タイプ」は、家具の後ろや隙間などにいるゴキブリ駆除にオススメです。部屋の中を薬剤を含んだ煙で満たすため、たくさん発生したゴキブリを集団駆除するのにも適しています。 ただし、煙が部屋の外に逃げないようにドアを密閉させることがポイントです。さらに、より効果的に駆除するためには、できれば1日はそのまま放置することが理想。そのため、旅行などで長期間外出するときなどに焚くことをオススメします。

また、部屋全体に薬剤が行き渡るため、食器や洗濯物などにも注意する必要があります。ハイハイをしている赤ちゃんがいるご家庭では、手についた薬剤を舐めてしまうという可能性も考えられます。ペットのいるご家庭も同じで、使用後は十分な換気をすることはもちろん、床や家具などを乾拭きしましょう。 このタイプはゴキブリのみならず、ダニなどの害虫にも効果を期待できますが、肌に直接触れる寝具につくと刺激になる場合もあります。布団や枕などはしまったうえで使ってください。

捕まえて駆除したい場合

ゴキブリを捕獲するものといったら、代表的なのは「ごきぶりホイホイ」などの「捕獲剤」。ゴキブリが好むエサのニオイで誘い出し、そこに入ってきたゴキブリを粘着シートで逃がしません。薬剤を使っていないので、薬剤独特のニオイが苦手な方や薬剤に抵抗がある方などにオススメです。中でゴキブリがもがけばもがくほど、身動きがとれなくなり、やがて死んでしまいます。 また、よくありがちなのが「1匹捕れたから」といってすぐに捨てること。ゴキブリは集まる習性があるため、しばらく様子を見てから捨てることをオススメします。

近寄って欲しくない場所に狙い撃ちしたい場合

こんなときは、ゴキブリを見失ったときの対処法でもご紹介した「待ち伏せタイプ」がオススメです。「待ち伏せタイプ」は即効性よりも効果の持続性を重視していて、ゴキブリの神経をジワジワと麻痺させて駆除します。 その成分には種類があり、「ゴキブリがいなくなるスプレー」などに配合されている「フェノトリン」、「バルサンまちぶせスプレー」などに使われている「プロポクスル」、「バルサン」やプロユースの待ちぶせスプレーに使われている「ペルメトリン」などが挙げられます。

ゴキブリを見失ったときはもちろんですが、ゴキブリが通りやすいところにスプレーすることで防御策にもなりますし、いるのをわかっていながら見つけられない場合などにも効果を発揮します。ただし、薬剤が乾くと効果が薄れてしまうこと、ニオイが気になるなどの欠点もあります。

赤ちゃんやペットがいる場合

赤ちゃんやペットがいるご家庭の場合、殺虫効果のある薬剤を使うことに抵抗のある方は多いのではないでしょうか?一番心配なのは、間違って口に入れてしまう誤飲です。「毒エサタイプ」などをはじめとするゴキブリ対策グッズを置く場所は、赤ちゃんやペットの手に届かないように注意しましょう。 最近では、アロマやハーブ、虫よけスプレーなどゴキブリが嫌がるニオイを使って寄せつけない忌避剤もオススメです。

効果的といわれているアロマやハーブは、ミントをベースとした「ハッカ油」、カレーのスパイスでも使われている「クミン」や「ナツメグ」、セリ科の「セロリ」「キャラウェイ」、他にも「唐辛子」「ローリエ」「レモン」などが挙げられます。 ちなみに、ゴキブリが最も嫌うNo.1の香りは「キャラウェイ」。ゴキブリはもともと甘い香りが好きなのですが、なぜか甘く爽快感のある「キャラウェイ」は苦手なのだとか。忌避剤としてNo.1なのですが、価格がお高めというのが難点です。

また、アロマオイルとハーブでは、アロマオイルの方が強い香りを放つため、より効果的といえるでしょう。オススメの組み合わせは、アロマオイル+エタノールです。アロマオイルがもつ揮発性をエタノールによって高めることにより、遠くに香りを広げることが可能です。その分、持ちは悪くなりますが、広範囲に効果を出したいときやゴキブリの居場所がわからないときなどに取り入れてみてください。

超音波や電磁波の効果とは?

近頃は、薬剤も使わず、ニオイも発しない電子機器タイプのゴキブリ対策グッズも存在しています。コンセントにつないで、超音波や電磁波を発生させることでゴキブリ対策に効果的といわれていますが、果たして実際はどうなのでしょうか? 市販されている電子機器のなかで、最も多いのが「超音波タイプ」。人間には聞こえない、ゴキブリが嫌がる20,000Hz以上の音を出すことでゴキブリを寄せつけない、というもの。

しかし、ゴキブリにはそもそも耳がなく、音そのものというよりは空気の振動を感知しています。さらに、超音波は家具などの物体に当たると効果がなくなることから、何も遮るものがない玄関などでの使用ならまだしも、物陰に隠れていることが多いゴキブリを駆除するのは難しいといえそうです。

一方の「電磁波タイプ」は、ほとんどが海外からの輸入品で種類も多くありません。こちらの機械を電源に取り付けることで、一般的な電化製品から発生する電磁界をゴキブリが嫌うタイプに変えて駆除することを目的としています。これによってゴキブリの行動が停滞した、という実験結果もありますが、現段階ではまだ条件付き。ゴキブリに効果はありそうですが、完全な駆除となると難しく、今後の発展に期待したいところです。 また、これらの新しいタイプは目に見えないものゆえ、詐欺に近い製品なども売られているため、信頼のおけるメーカーで購入するなどの注意が必要です。

季節によって異なるゴキブリ対策

一般的にゴキブリの活動ピークは夏ですが、そのときだけ対策を行えばいいかというとそうではありません。春夏秋冬、それぞれの季節に合った対策が必要です。では、シーズンごとにどのようなポイントを押さえたらよいのでしょうか?

春におけるポイント

ゴキブリのなかには、家庭でよく見かける「クロゴキブリ」や暖かいところを好む「チャバネゴキブリ」は、冬を越せずに死んでしまう種類もいます。ゴキブリは気温が25℃を超えると繁殖が活発化することから、繁殖期前の春から対策しておくことがポイントです。 例えば、玄関や窓をこまめに閉めてゴキブリの侵入を避けて、生ゴミや段ボールなどは適宜処分して家の中や周りを清潔に保ちましょう。また、ゴキブリは湿気を好みますので、水周りの水気を切ることも意識したいものです。数が少ないうちに、「毒エサタイプ」を仕掛けておくのもオススメです。

夏におけるポイント

夏は、ゴキブリのオンシーズン。繁殖も活発化するため、幼虫から成虫まで揃っている怖い季節といえるでしょう。就寝前には生ゴミをしっかり密封すること、食べ物などは片付けておくなど、ゴキブリが活動をはじめる夜間の対策を念入りに行いましょう。 また、ゴキブリの巣ごと壊滅させる「毒エサタイプ」や、ゴキブリが隠れていそうな場所や通り道を中心に「待ち伏せタイプ」のスプレーなどを噴きつけておくのも効果的です。ベランダに置いてある植木鉢の下などのチェックもお忘れなく。

秋におけるポイント

「やっとゴキブリのピークが終わった」と安心できる秋。でも、油断は禁物です。この時季は、次のシーズンに向けて先手の対策を行うときです。 「バルサン」などをたいて部屋の隅々まで行き渡らせ、幼虫や成虫も根こそぎ駆除されることがオススメ。次のゴキブリ発生率を抑えるためにも、冬を越させないようにすることがポイントとなります。

冬におけるポイント

冬は、ゴキブリが静かに冬を越している時季。比較的暖かいベランダの植木鉢、ダンボールの下、倉庫の隅などで卵や幼虫の状態で潜んでいます。まだ繁殖機能をもっていない状態のときに駆除することで、その後の繁殖を防ぐことにつながるといえるでしょう。 この季節は、「くん煙剤タイプ」がオススメ。しかし、硬い殻で覆われているゴキブリの卵は、くん煙剤では効きにくいといわれています。そこで、卵が羽化するタイミングを見計らって2~3週間後に再び駆除されることをオススメします。

住居別にみるゴキブリ対策

ゴキブリ対策の基本は、「ゴキブリを侵入させないこと」と「侵入したゴキブリを確実に仕留めること」の2点です。しかし、一戸建てとマンションでは家の構造が違います。住居のタイプ別に押さえておきたい対策ポイントをご紹介しましょう。

一戸建ての場合

先述したようにゴキブリの侵入経路はいろいろと考えられますが、一戸建ての場合はそれらに加えて床下も侵入経路のひとつになります。マンションやアパートに比べて、一戸建てのゴキブリ対策が面倒で困難といわれているのは、この床下が原因のひとつなのです。 そもそも床下は、家の土台を湿気で腐らせないために風を送る役目があります。空気の通り道となるため塞ぐことはできませんし、ゴキブリも侵入しやすい場所といえるでしょう。

床下にも種類があって、完全に開いているタイプから通風口タイプ、パッキンの小さな穴があるタイプなど、入口が広ければそれだけゴキブリが侵入しやすい環境となります。 といっても、床下の入り方はわかりにくいうえに、家の基礎にダメージを与えてしまったら本末転倒。たとえ床下にゴキブリが侵入したとしても、床下から居住スペースに通じる穴を塞ぐことで問題なければ、それが最も簡単な解決策です。

また、気になる場合は床下の点検口近くに外用の「毒エサタイプ」を設置するのもいいでしょう。自分でやるのが面倒な場合は、プロに依頼することも選択肢のひとつです。侵入そのものを防ぐことはできませんが、家の周りにゴキブリが嫌うハーブなどを育てることで家だけでなく土地全体のゴキブリ対策にもなります。

マンションの場合

マンションなどの集合住宅の場合、自分の部屋はもちろんですが、共有スペースのゴキブリ対策も重要なカギとなります。特に共有スペースは、給排水の設備、ボイラー、ガス配管設備などがあり、暖かくて暗く、湿度が高いとゴキブリが好む環境。冬でも暖かいので、寒さに耐えることもできてしまうのです。

しかし、共有スペースのゴキブリ対策を個人で行うのは難しいのも現実です。管理会社が入っているマンションでしたら、厚生労働省による「建築物環境衛生管理基準」の「ねずみ等の防除」という項目に基づいて、ゴキブリの駆除や対策を行っていると思われます。

また、個人でできる範囲として、共有スペースから来るゴキブリの侵入を防ぐことが大切です。例えば、ベランダの排水口にネットをかぶせるだけでも侵入対策のひとつになりますし、玄関周辺の廊下にゴキブリを寄せつけないアロマを置いて近づけさせないということもひとつの方法です。

アパートの場合

アパートにおけるゴキブリ対策は、侵入が考えられる穴をできるだけ塞ぐことが解決への近道です。玄関、窓、ベランダなどを塞ぐことはできませんが、エアコンの穴や排水管の穴に隙間ができていないかをチェック。隙間がある場合は、パテなどでしっかり塞ぎましょう。

また、お風呂やトイレ、キッチンなどの換気扇は外とつながっていることが多いものです。フィルターを付けたり、換気扇をつけっぱなしにするなど侵入させないための工夫が必要です。 さらに、アパートの場合は、キッチンが外につながっているケースがあります。シンク下にある扉の中も隅々までチェックしてみると、ベニヤ版などで仕切られているだけで接着剤が使われていない場合も…。このわずかな隙間でもゴキブリの侵入経路となりますので、必ず塞いでください。

新築や新居でも油断大敵

意外に思われがちですが、新築や引っ越したばかりの新居はゴキブリが出やすいもの。それは、ゴキブリにとって天敵となる人間がいないためです。また、暗くて暖かいことに加えて、生活をしていないためキッチンやお風呂、トイレ、排水口などにも水が通らず、ゴキブリが侵入しやすい環境となってしまいます。

このように、空き家はゴキブリにとって快適な住み家。できれば、引っ越し前にゴキブリ対策を行いたいものですが、なかなかそうもいきません。さらに、引っ越しの段ボールにゴキブリの卵が付着していることもあります。 侵入経路をチェックすることはもちろんですが、引っ越し後に「バルサン」を焚くなどのゴキブリ対策を行いましょう。段ボールをいつまでも放置しておくと、ゴキブリの温床になりかねませんので、速やかに片付けることも忘れないでください。

今日からできるゴキブリ予防策

ゴキブリを防ぐためには、こまめに掃除をして清潔な状態を保つことも重要です。その他にも、日常的にどのようなことに注意したらいいのでしょうか?毎日の生活のなかですぐにできる予防策を紹介します。

キッチンやシンク

キッチンやシンクは、家のなかでもゴキブリの発生率が最も高いエリア。ゴキブリはニオイを頼りにやって来ますので、ニオイの元をしっかり閉ざすことが重要です。まず、生ゴミは毎日寝る前に袋の口を密閉してニオイが出ないようにしましょう。ジュースやビールの空き缶やびんも水でゆすいでから捨てましょう。

ニオイといえば、排水口のぬめりも原因のひとつ。こまめにぬめりを取って、ニオイ対策を行ってください。 また、エサとなる食べ物をそのまま置きっぱなしにしないように注意です。特に、ゴキブリが大好きなタマネギやジャガイモは、冷蔵庫で保管することをオススメします。

見落としがちなのが、ペットのエサ。これも、ゴキブリのエサとなりますので、残ったエサは片付けておきましょう。 そして、ガスコンロ周りの油汚れにも要注意。実は、ゴキブリは油の固まりも大好物ですので、使用後はきれいに拭き取ることもお忘れなく。さらに、シンクやお皿などの水気もできる限り拭いて、濡れたままにしておくのもやめましょう。

寝室や押し入れ

寝室のなかでゴキブリが発生しやすいのは、押し入れの天袋です。屋根に近いため暖かく、湿気がこもりやすいのが原因です。意識しないとなかなか開けない場所ですが、空気の入れ替えを適宜行いながら、除湿剤なども活用しましょう。 また、家具と壁の間はできるだけ広く空けておくことをオススメします。狭い場所を好むゴキブリの居心地を悪くさせる効果もありますが、掃除をするのにも便利で一石二鳥です。

玄関や庭

玄関で注意したいのは、下駄箱の中。暗くて隙間の多い下駄箱は、ゴキブリにとって恰好の場所と言えます。もうひとつチェックしたいのが、玄関近くにあるブレーカーボックス。こちらも暗くて、しかも暖かいとゴキブリが好みそうな環境。これらの場所は、ときどき風を通して、フンがあった場合はきれいに取り除いてください。 庭にウッドデッキや樹木があると、ゴキブリが発生しやすい環境に。特にウッドデッキは、雨によって湿っぽくなりがちですので、裏側などもチェックして十分なお手入れを行いましょう。

お風呂

湿気の多いお風呂は、まめに換気することが大切です。脱衣所に置いてあるバスマットの裏側は湿気がこもりやすく、ゴキブリが巣を作りやすいため、しっかり乾燥するように心がけてください。また、髪の毛はゴキブリのエサになります。排水口付近、洗面所などに落ちている髪の毛は取り除く習慣を心がけましょう。

ベランダ

ベランダで注意したいのは、植木鉢やプランターの下です。どうしても湿りやすいため、ゴキブリの温床となりやすい環境です。適度に移動させたり、すのこや網棚に乗せるなど、湿気がこもらないような工夫が必要です。また、ベランダは外からゴキブリがやって来やすい場所。サッシを開けたとき、うっかり室内に侵入されないよう、「毒エサタイプ」などを設置しておくのもオススメです。

ゴキブリ対策にまつわる誤解や間違い

ゴキブリ対策の第一歩は、侵入経路の遮断というお話をしてきましたが、隙間をテープなどで塞いだときには注意も必要です。というのも、テープの粘着力が劣化して、はがれてしまう可能性があるためです。ゴキブリは、わずか0.5mmの隙間でも侵入してきます。人間にとって隙間ではないと思っても、ゴキブリにとっては通り道。湿気も招きやすくなるため、近くに「毒エサタイプ」などを置いて、念入りな対策をすることが大切です。

また、「ごきぶりホイホイ」などの粘着シートは1匹捕れただけでは捨てない、ということも先述しましたが、ずっと置きっぱなしにしておくのも問題です。粘着力が弱くなったものをいつまでも置いておくと、そこにゴキブリが巣を作ってしまう場合も…。暗くて狭い場所が好きなゴキブリが住みつかないように、時期をみて取り除くようにしましょう。

ゴキブリを根絶させるためには?

ゴキブリの対策は、成虫だけとは限りません。その後の繁殖を防ぐためにも、卵や幼虫の段階から適切な対策を行っておくことが大切なのです。

ゴキブリの卵を駆除する

ゴキブリの卵は、幅1cm高さ5mmと黒いカプセルのような形状をしていて、硬い殻で覆われています。メス1匹に対して1個の卵しか産みませんが、卵の中には15~40匹の幼虫が入っているため高い繁殖力、というのも頷けます。 一番確実なのは、産ませないこと。そのためには、「毒エサタイプ」が最適です。「ブラックキャップ」などに含まれている有効成分「フィプロニル」は、卵を抱えたメスが食べると卵も死滅できる、というメリットがあります。

また、卵を産みやすい場所を徹底的に掃除して、産み落とされた卵を取り除くことも大切です。産みやすい場所は、暗くて暖かい、湿度の高いところ。家具や電化製品の裏なども、できるだけきれいに掃除しましょう。 さらに、ゴキブリは命に危険が及ぶと、卵を産み落とす習性があります。ゴキブリ退治をした後は、その周辺もしっかり拭き取った後しっかり密封して捨てて下さい。

ゴキブリの幼虫を駆除する

ゴキブリの幼虫は、見た目は成虫と変わりません。違うのは、大きさと色。最初は米粒くらいの大きさで真っ白だったものが、脱皮を繰り返しながら黒や茶色に変化してきます。この脱皮の期間、幼虫の主食はゴキブリのフンです。 フンを取り除いて餓死させることもひとつの方法ですが、「毒エサタイプ」はフンにも薬剤が含まれます。それを食べることで、幼虫の駆除にも効果を発揮する、というわけです。

また、雑食のゴキブリはエサがなくなると、幼虫を食べるという習性があります。エサとなるものを一掃して、共食いをさせることも一策といえるでしょう。 さらに、脱皮を終えた幼虫は、ジュースやビール、油などの液体を主食とします。空き缶や空き瓶をきれいに洗うことも対策となりますが、その習性を狙って缶や瓶の中にホウ酸を仕掛けておくのもオススメです。

ゴキブリの巣を駆除する

いくらゴキブリを駆除してもなかなか効果が見られない場合は、巣ごとに駆除することをオススメします。といっても、ゴキブリの巣はアリの巣のように見た目でわかるものではありません。単純にゴキブリが集まっている場所が巣なのです。 そのため、ゴキブリの巣を見つけようと思っても案外難しいもの。そんなときは、ホウ酸だんごなどの毒エサを複数の場所に設置して、食べた状態を見て判断する、という方法です。だいたいの目星がついたら、フンも含めてきれいに駆除しましょう。

また、巣づくりを防ぐためには、エサ場となるゴミ箱を密閉できてニオイがもれないタイプにしたり、調味料や油などの液垂れをきちんと拭いておくなども効果的です。さらに、巣をつくりやすい段ボールの撤去や、本棚の掃除、使っていない電話ジャックを塞ぐなどの工夫も行いましょう。

軽く考えていない?ゴキブリのフン

シンク下の扉の中や引き出しなどにあるゴマのような黒い粒々。それは、ゴキブリのフンかもしれません。ゴキブリのフンは、アレルゲンになることもあるため、小さなお子さんやペットのいるご家庭は要注意。発見したら、掃除機で吸って除菌スプレーや洗剤を含ませた雑巾できれいに拭き取ってください。 フンをそのまま放置していると悪臭やアレルゲンになるだけでなく、さらなるゴキブリを招いてしまう、という恐ろしい状態にも発展しかねません。

それは、ゴキブリのフンには仲間を呼び寄せるフェロモンが含まれているためです。悪臭の原因も、そのフェロモンのニオイなのです。フンそのものの処理と同時にニオイ消しの方も忘れずに行いましょう。 また、フンを掃除する際は、口の中に入らないようにマスクを。指先などにも付かないようにゴム手袋などをして行ってください。

飲食店を悩ませるゴキブリ事情

飲食店のゴキブリ対策は、衛生状況などお店の印象にも関わるため、とてもやっかいな問題です。なぜ、飲食店にゴキブリが発生しやすいのでしょうか? 一般家庭に比べて飲食店は、ゴキブリが侵入しやすく快適に住めるための条件が全て揃っているからです。ゴキブリが巣作りする条件は、暖かい場所、暗い場所、適度な湿度がある場所、水とエサが近くにあること。 食材の多さは家庭の比ではありませんし、業務用の大型冷蔵庫、調理台、食洗器などの裏などゴキブリが隠れる場所も豊富です。厨房の床に排水口がある飲食店も多く、侵入を許してしまう他にもゴキブリに水飲み場を与えているような状態に…。

たとえモップの水でも、ゴキブリにとっては貴重な水分。普段人がいるときはじっと潜んでいますが、閉店後にゴソゴソと活動を始める、というわけです。 飲食店でのゴキブリ対策は、店内や厨房をきれいに掃除することが鉄則。そうはいっても、ゴキブリのエサを完全に撤去するのは不可能に近い状態といえます。

掃除にしても、重たい業務用機器を動かすことさえ困難です。 そこで、大きな飲食店では、定期的に専門のゴキブリ駆除業者に依頼しているケースが多いようです。費用はかかりますが、今存在しているゴキブリの駆除、死骸の処理、巣作り対策とプロならではの手腕でトータル的にゴキブリ対策を行ってくれます。

専門のゴキブリ駆除業者に依頼する

「どんなに対策をしてもゴキブリが減らない」「ゴキブリが怖くて、自分ではできない」…そんな悩みがあるときは、ゴキブリ駆除のプロにお願いするのもひとつの方法です。

プロに任せるメリット

プロの駆除業者にお願いする最大のメリットは、駆除効果が高いこととコストパフォーマンス面といえます。 現在潜んでいるゴキブリ退治はもちろんのこと、侵入経路の遮断、巣の駆除、家の周りや環境の調査などトータルな視点で対策を行ってくれて、ゴキブリの発生をストップさせてくれます。1回お願いすると半年~1年と長い効果が続くことも特長で、市販されているいろいろな対策グッズをあれこれ買うよりも、結果として安く済んだというケースは多いものです。

プロが行っている駆除方法

プロの業者も基本的なゴキブリの駆除方法は、一般家庭とあまり変わりません。業者によって「毒エサタイプ」「くん製剤タイプ」「液体タイプ」など方法は異なりますが、家庭用と大きく異なる点は業者専用の強い薬剤を使用するという点です。一般的に入手も困難で、取り扱いも難しい薬剤を使いますので、その分効果の高さも期待できる、というわけです。

また、同じ「毒エサタイプ」でも、ゴキブリの種類や大きさによって調整しながら対策を行う必要があります。ちなみに、同じエサをずっと与えているとゴキブリが飽きてしまい、食いつきが悪くなって効果が出なくなることもあります。それらも見極めたうえで効果を狙っていくのは、プロならではの視点がなせる業といえるでしょう。

業者選びのポイント

ひとくちにプロといっても、アフターケア面でもしっかり行ってくれるところから、安い薬剤を使っただけで終わりというところ、ときには高額に請求してくる悪質なところなど、様々な業者がいることも事実です。 そこで、失敗しないためのポイントとして次の項目をチェックしましょう。

・実際にお願いした人のクチコミや評判などを確認すること

ゴキブリ専門など、駆除する対象を絞っていること

・誇大広告、業者の任意団体加盟などネームバリューに惑わされないこと

見積もりを出してもらい、追加料金や保障面などのアフターケアも確認すること

・焦って1社だけで決めずに、いくつかの業者と比較&検討すること

・電話やメールなどでも親切で丁寧に対応してくれること

どのくらいの時間とお金がかかるの?

料金や時間については、依頼する内容や実際に行う内容によって異なるため一概には言えません。一戸建てか?マンションか?と建物の大きさなどによって違いますが、ここでは目安となる金額を紹介しましょう。

・一戸建て(3LDK)の場合 30,000円前後(2~3時間)

・マンション(1~3LDK)の場合 20,000~30,000円前後(1~3時間)

・飲食店(25坪くらいまで)の場合 30,000~70,000円前後(2~3時間)

・飲食店(60坪くらいまで)の場合 100,000~150,000円前後(3~5時間)

上記の内容はあくまでも目安ですので、実際の見積もりを見ながら不明点などを質問してみましょう。業者によっては、「効果の高い薬剤を使っている」など高い料金には理由があるかもしれません。高い料金=悪徳業者と決めつけるのは早計です。

こんな業者は要注意!

電話やメールだけで見積もり金額を提示してきたら要注意。これまでにお話したように、駆除をする面積や対策方法によって料金は変わるはずです。現地調査も行わずに金額を伝えてきた場合は、その場で契約しないように注意してください。

また、契約を急ぐ、大幅な値引きをする、保障やアフターケアに関してあやふやな回答しかしてくれない場合も注意です。金額面はもちろんですが、どんな駆除をしてくれるのか?その駆除内容をわかりやすく説明してくれるか?など、トータル的な視野をもって選びましょう。

トラブル防止のために用意しておくこと

実際の作業が終わった後のトラブルは、何かとストレスです。一番多いトラブルとして考えられる料金面は、見積もりを書面できっちりもらうようにしましょう。一度に複数の見積もりが取れるサイトもありますので、納得いくまで確認することが大切です。

また、作業後の保証やアフターケアも確認しておくと、「効果が得られなかった」という場合にも安心です。さらに、赤ちゃんがいる場合、ペットがいる場合など不安があるときは、事前に伝えておくことをオススメします。 そして、いくらプロだとしても無理難題のお願いは避けたいもの。よくありがちな「ゴキブリ1匹を退治して欲しい」といわれても、「1匹だけ」というのは無理があります。契約する前には、きちんと相談して少しでも不安を解消しましょう。

引っ越し時のゴキブリ駆除

引っ越しをする際、「害虫駆除の費用」を取られることがあります。先述した「新築や新居でも油断大敵」で解説したように、空き部屋はただでさえゴキブリが侵入しやすい状況です。 そんな状況で現在いるゴキブリのみ駆除しても、2~3日経つとまたゴキブリが入ってしまいますし、ひどい場合は料金だけ取って駆除していないケースもあります。

「駆除が必要」と言われた場合は、 大家さんや仲介業者に連絡して引越し後に駆除してもらえるように相談してみましょう。 なかなか一筋縄ではいかないゴキブリ対策ですが、「出てきたゴキブリを退治する」「侵入を防ぐ」という基本の2本柱でしっかり対策を行っていきましょう。

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