某テーマパークでは人気キャラクターにも採用される「ネズミ」。 しかし、普段の生活でネズミを目にして歓喜の声を上げるという人は、なかなかいないでしょう。 不衛生な場所に生息するネズミは、その存在だけで不衛生さを物語ることになるので、決して喜ばれる動物ではありません。 駆除をしようにも、虫のように叩いて殺してというわけにもいかず、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなネズミの生態や被害の怖さ、対策方法などについて紹介していきます。 ネズミの存在に悩まされているという人は、ぜひ参考にしてネズミの恐怖から解放されてください。
目次
ネズミとは、生物学的にほ乳類ネズミ目(齧歯目)の総称で、その種類は1,000~1,800種類ともいわれています。リスやヤマアラシも同じ分類に属されています。
まずはネズミについて、どんな種類があるのか、放っておくとどのような被害に繋がるのかみていきましょう。
一口にネズミといっても、その種類はさまざまです。ネズミには大きく、都会や建物の中に生息する家ネズミと、山の中や自然の中で生息する野ネズミに分けられます。
今回は私たちが普段目にする、可能性の高い家ネズミについて説明していきます。家ネズミに該当するものとしては、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミが存在します。それぞれ見た目や性格も違うので、一つずつ見ていきましょう。
身体が20~28cmと大きく、それに比べて尻尾が短いのがドブネズミの外見の特徴です。湿気や寒さに強く、泳ぎも得意のため、水回りでネズミの被害があった時はドブネズミの仕業と考えてもいいでしょう。床下や排水管が侵入経路になるケースも多いです。
性格は獰猛で警戒心がやや低いと言われています。高いところに上るのは苦手なので、マンションの高層階にはあまり出ません。 身体のサイズに比例して、20mmほどの大きなフンをします。粒の形が揃っていて、丸みのあるフンを見つけたらどぶネズミを警戒しましょう。
尻尾が身体よりも長く、顔の大きさの割に耳が大きかったらクマネズミです。体長は約15~25cm程度です。 寒さに弱いことから、家の中に巣を作ることがおおく、ネズミ被害の中でも最近はクマネズミによるものが増えていると言われています。
運動が得意で、電線や排水パイプを伝ってどこからでも侵入できるのも、被害が増えている原因の一つです。 天井裏でネズミが走り回ってると思ったらこのクマネズミです。動き回りながらフンをする習性があるので、移動ルートにはクマネズミのフンが多く残されています。クマネズミのフンは細長くて大きさもバラバラで、6~10mm程度のものが一般的です。
手に乗るくらい小さなネズミを見たら、それはハツカネズミの可能性が高いです。サイズ的には6~10cm程度です。 身体が小さい分、他のネズミでは入ってこれないような、小さなすき間からも侵入してくる恐れがあります。普段は屋外に生息していても、寒さを避けるために秋から冬にかけてだけ、家の中すごす個体も存在します。
家具のすき間に巣をつくることもあるので、狭い空間でネズミのフンを見つけたら、ハツカネズミが入ってきていることになります。小さい身体に見合った小さいフンで、大きくても7mm程度です。両端が尖っているのが特徴です。
ネズミの生態に関して知っておけば、繁殖を抑えたり、被害を最低限に抑えることも可能です。ここではネズミの生態に関して簡単に紹介するので、ざっくり頭に入れておきましょう。
ネズミは雑食性で、なんでも食べて生き延びれるので、さまざまな環境で生息していくことができます。家の中では人間の食べ物はもちろん、ペットの餌や、水分補給のためには観葉植物の葉を食べることすらあります。 昆虫ですらネズミの餌になりうるので、家の中ではゴキブリを餌にしてしまう場合も。ネズミは駆除したいけど、ゴキブリが増えるかもと考えると悩ましいですね。
なんでも食べるネズミですが、種類によって好きな餌の傾向は異なります。ドブネズミなら肉類、クマネズミなら穀物や果実、ハツカネズミなら草花や小型の昆虫と言った風に。身体の大きいドブネズミ(200~500g)では、一日に50~80gもの餌を食しています。
ネズミの繁殖能力は、「ねずみ算」や「ねずみ講」の語源になるほど高く、すごいスピードで数が増えていきます。繁殖期間も1年中で、1個体の寿命は1~2年ですが、1匹あたり平均で5~8匹のこどもを出産します。
特にハツカネズミは「二十日ほどで生まれる(妊娠期間が短く繁殖サイクルが速い)」ことから名前がつくぐらい、急激に増えていきます。油断して放っておくと、いつの間にか取り返しのつかない事態になるかもしれませんね。
ネズミは寒さに弱く、温かい場所を好んで生息しています。家の中に侵入してくるのも、餌を探すという目的の他に、温かい場所を求めてという目的もあります。家に侵入してきたネズミは、布や紙などを集めてきて安全な場所に巣をつくります。
ネズミの種類によっても巣をつくる場所に特徴があります。ドブネズミは比較的寒さに強く、湿気が好きなので水回りに巣を作る場合が多いです。クマネズミや運動神経が高いため、屋根裏など高いところに巣を作ります。身体の小さなハツカネズミは、物置などで小さなすき間を見つけては巣を作る場合が多いです。
ネズミは夜行性の動物なので、基本的には昼間の明るいうちにはあまり行動しません。人が寝静まってから餌を探したりするので、夜寝る前は食べ物を放置せずにしまいこむのが有効な対策となります。 特に活動が活発になるのは日没直後と明け方直前の2回です。夜間の間にネズミの被害が多いのもこれが原因となります。もし明るいうちに屋根裏などを歩く音が聞こえたら、ネズミ以外の動物が侵入しているかもしれませんね。
ネズミは、金属などを除いては、なんでもかじってしまう習性があります。これは決して食べようとしているわけではなく、一生伸び続けると言われるネズミの歯の性質によるものです。歯があまりに伸びすぎると、口を塞いでしまい食事もままならなくなるのです。そのため、歯を削るためにネズミは固いものをかじっているのです。
手当たり次第にかじるため、木の柱や木製の家具、石鹸などもネズミが好んでかじるものです。時には電線やガス管、通信ケーブルをかじってしまい、様々なトラブルことに繋がることもあります。
ネズミは部屋の中を移動する時、壁や家具の近くを通り、隅から隅へと移動していきます。部屋のど真ん中でネズミを見ることがないのはこのためです。ネズミの種類によって警戒心の強さも違いますが、隅を移動するという習性は共通しています。
なので、部屋の隅を調べればネズミがいる証拠「ラットサイン」を見つけやすく、ネズミの移動ルートを把握するのに役立ちます。ネズミがどこを通るか分かれば、捕獲するための罠も設置しやすいですね。
ネズミは走りながらおしっこをしており、人間に似た刺激臭を発します。そのためネズミが通ったあとには尿の跡がのこっており、ラットサイン(ネズミがいる証拠)となります。先述しましたが、クマネズミは尿のみならずフンもしながら走っているので、余計匂いなども出てきます。
不衛生なイメージから敬遠されているネズミですが、ネズミによる被害はその汚さだけではありません。ネズミによって健康や精神、経済的な面でも被害を被ってしまうのです。ネズミによる被害にどのようなものがあるのか見ていきましょう。
ネズミが汚いのはイメージだけでなく、実際にさまざまな病原体やウイルス、寄生生物を家の中に運びこんでいることになります。ネズミがいるだけで数種類にも及ぶ菌に感染する恐れもあるため、ネズミの不衛生さを甘く見てはいてはいけません。 ネズミに主にくっついているのはダニですが、ネズミが死ぬとダニが次の寄生先を探して人間の生活圏を犯すことも珍しくないのです。
ダニが繁殖すると、噛まれて猛烈にかゆくなったり、発疹熱などの病気にも繋がることにもなります。 ダニだけでなく、サルモネラ菌やE型肝炎ウイルスを運んでくるケースもあり、最悪の場合ネズミが原因で死に至る可能性すらあるのです。ネズミだけでなく、ネズミについているダニがウイルスを持っている可能性もあるので、ネズミは病原菌のデパートということになります。
ネズミ自体の不衛生さも問題ですが、ネズミがまき散らす排泄物も問題です。ネズミの排泄物には深刻な感染症を引き起こす危険のある細菌が含まれているため、放っておくと家中に細菌が散漫することになります。ネズミの種類によっては走りながら排泄する場合もあるため、被害が拡大しやすくなります。
見た目は可愛らしいネズミですが、その見た目とは裏腹に獰猛な性格を持ち合わせている種類もあります。そして、ネズミはとても用心深く賢い動物であるため、赤ちゃんや寝たきりの老人しかいない時に、活発に活動することも発見されています。 世界で見ると、赤ちゃんや老人がネズミに噛みつかれる事件は年間に何件も起きており、噛みつかれた角度によっては一生傷が残るケースもあるほどです。
ひどい場合には生後数か月の赤ちゃんが、ネズミに身体中を何か所も噛まれて死に至った事件もあるほどです。 もし家に赤ちゃんや老人がいる家庭は、特に気をつけましょう。大人がいるときは静かにしているネズミたちも、赤ちゃんしかいない時に牙を向くかもしれませんよ。
ネズミに噛まれるのは物理的な危険だけではなく、病原菌を移される場合もあります。ネズミの口の中は細菌だらけなので、鼠咬症(そこうしょう)やアナフィラキシーショックといった症状が出て、最悪死に至る場合もあります。
ネズミの直接的な被害も怖いですが、それに並んで見えないネズミの精神的な被害も怖いです。どこからともなく音がしたり気配を感じるのは、予想以上に精神に負担をかけます。また、ネズミの被害を知っている人は、気配を感じるだけで噛まれるんじゃないか、巣を作られるんじゃないかと被害を連想してしまいます。
実際にネズミの姿を見ていなくても、ノイローゼ気味になったりするケースも考えられるので、ネズミの気配を感じたら放置せずにすぐに対策を打ちましょう。精神的被害は人によって全然被害が違うので、自分は大丈夫だと思っていても、家族が気にしている場合には一刻も早く対処してあげましょう。
身体の小さなネズミですが、甘く見ていると停電などの大きな被害に繋がることもあります。先述したようにネズミには、固いものをかじる習性があり、配線ケーブルを噛みちぎられれば、電気やインターネットが止まることもあります。
そして厄介なことに、配電盤や屋根裏の断熱材の多い場所というのは、狭くて暖かい場所が大好きなネズミにとっては天国のような場所ともいえます。屋根裏などケーブルを通している場所に巣を作られでもしたら、すぐにケーブルに噛みつかれてしまうでしょう。
一般家庭で停電になるのも問題ですが、もしオフィスなどでいきなり停電になって、インターネットに繋げなくなったらどれくらいの損害が出ることでしょうか。業務情報が消えてしまうリスクもあれば、仕事を中止する事態にもなりかねません。小さなネズミの大きな被害を甘く見ないようにしましょう。
停電やインターネットが途絶えてしまっても、命までは取られていないのでまだマシかもしれません。屋根裏に潜り込んだネズミが噛みつくのは電気の線や、ネットの回線だけではないのです。 もしネズミが噛みついたケーブルが絶縁体(漏電を防ぐもの)で覆われているケーブルの場合、ネズミが噛みつくことによって絶縁体が剥がれてしまい漏電に繋がります。
もし漏電によって火花が散り、まわりに可燃性のものがあった場合、屋根裏から漏電火災が起きることもあります。さらには、 ケーブルをかじりながら感電死したネズミの死体が火元となって、火が燃え上がるケースも珍しくありません。消防庁によれば、ネズミが原因で起きる火災というのは、年間数十件にも及ぶと発表しています。
もし住んでいる家が持ち家の場合、ネズミによって家の資産価値を下げられる危険性もあります。先述したとおり、屋根裏や壁の裏にある断熱材はネズミにとっても居心地のいいところ。巣の材料にされてしまうのも珍しくありません。
もし断熱剤で巣を作られてしまっては、あちこちにネズミが噛みついた跡が残ってしまい、いたるところにフンが残ってしまいます。壁だけではなく、家の柱や家具なども噛みつかれてしまっては、せっかくの家が台無しですね。ネズミは健康だけでなく、経済面にも被害を及ぼす動物であることを分かってもらえたでしょうか。
ネズミ自体の被害も深刻ですが、ネズミが家にいることで他の動物を引き寄せる可能性も高くなります。というのも、イタチや蛇などの動物にとっては、ネズミは捕食される動物になるため、ネズミがいる家は肉食動物にとってはいい狩場となってしまいます。気付かぬうちに家を動物園にされる前に、ネズミに繁殖されないように駆除しましょう。
命の危険まで運んでくるネズミですが、どこから家に侵入し、家のどこで生息しているのでしょうか。ここではネズミの侵入経路を、家のつくりとラットサイン(ネズミのいる痕跡)から探す方法を紹介します。
普段生活している中で感じている以上に、家というのは穴が多いものです。ネズミは500円大ほどの穴があれば通れるため、人が思っている以上にネズミの侵入経路だらけなのです。さらにハツカネズミなど身体の小さな種類ですと、もっと小さな穴からでも侵入可能です。
床下の通風口や水回りの配管などは分かりやすいですが、老朽化した家ですと、小さな壁の割れ目から侵入することもありますし、時には網戸を食い破って侵入される場合もあります。
どこが侵入経路になっているかは、素人目だとなかなか分かりづらいかもしれません。しかし、ネズミ駆除のプロであれば、家の外観を見ればネズミがどこから入ってこれるかは、ある程度見当がつくので相談してみてもいいでしょう。
ネズミは活動したところに痕跡を残しており、それをラットサインと言います。ネズミの姿を見なかったとしても、このラットサインを見つけられれば、ネズミが侵入していることが分かります。知らぬ間に命の危機にさらされていることもあるので、見つけたら必ず対策するようにしましょう。
ラットサインとして代表的なのは「壁や家具に残った黒く擦ったような跡」「家具や柱のかじられた跡」「小さなフンや、尿の匂いや後」があります。特にフンはネズミの種類まで特定できるため、大きなヒントとなります。
素人がラットサインを見ても侵入経路を特定するのは難しいですが、プロからすればどこにラットサインがあるかは大きな手掛かりとなります。ネズミの駆除をお願いするのに大きな情報になるので、どこでラットサインを見つけたのかは記録しておきましょう。
今はホームセンターなどでも、さまざまな種類の殺鼠剤や駆除グッズが売られているので、そこまで緊急性がない場合は自分で駆除する方法もあります。自分で駆除する方法にも大きく「ネズミ捕まえる方法」と「ネズミを殺す方法」があります。それぞれどんなメリットデメリットがあるか見てみましょう。
ネズミを捕まえる方法には、粘着式の捕獲テープや捕獲用のカゴなどを使います。テープ式であれば、安価でいろんな場所に設置できるので効果も上がります。ラットサインなどから、ネズミの通り道を把握して設置しましょう。しかしネズミを捕まえた後は、捕獲したネズミは自分で回収しなければならず、動いているネズミを見たくないと言う人にはハードルが少し上がります。
カゴであれば大体500~1,000円、捕獲テープであれば100~500円で購入できます。捕獲テープは安価ですが、時間がたつと埃などがついて効果が薄れる場合もあります。捕獲用のカゴであれば、繰り返し使えますし、効果が落ちることもないので長期的に使えるメリットがあります。
ネズミを殺す方法にはバネ式の罠や、毒餌や殺鼠剤があります。バネ式の罠はとても原始的でポピュラーな罠ですが、バネの威力が強くて大抵の場合挟まったネズミは死んでしまいます。設置するのは簡単ですが、ネズミを引き寄せる効果はないので、ネズミの通り道を把握するか餌などを置いて誘導しましょう。
毒餌を使ってネズミを殺す方法も効果的です。いきなり毒餌を使うよりも、まずは無毒な餌などを設置して、先にネズミに安心させてから毒餌を使った方が効果が上がります。毒餌などでネズミを殺せば、生きてるネズミの姿を見ないですみますが、ネズミの死骸は必ず回収してください。死骸が腐敗すればウジやハエがたかって余計不衛生になります。死骸を回収する時は、死骸の周りに殺虫剤をかけて、ダニやノミの拡散を阻止しましょう。その後、手袋をして直接肌に死骸が触れないようにしてください。
ネズミ駆除は、駆除したら終わりではなく、駆除した後にネズミが近づかないようにすることが大切です。ネズミは集団行動をしている可能性も高く、数匹残っていればそこからまた増殖するケースもあるのです。ここではネズミが近寄らないために、対策できることを紹介していきます。
ネズミが近づかない家にすると考えると特別なように感じるかもしれませんが、普段の小さなことに気をつければ十分にネズミ対策になるのです。基本的なネズミ対策の考え方は、「食べ物を与えないこと」と「住処を与えないこと」です。ネズミだけでなく全ての動物は、餌と住処を求めて行動しているので、その習性を逆手にとりましょう。
また、ネズミは新聞紙などの紙や布などを使って巣を作っていきます。部屋が散らかっていて、ティッシュペーパーなどを調達しやすいのは、ネズミにとって住みやすい環境を作ることになります。布団や服をしまっているタンスの奥などは温かく、巣の材料が豊富にあるのでネズミを呼び寄せる温床となってしまいます。まめにタンスの奥なども掃除して、ネズミが寄り付かないようにしましょう。
「食べ物を与えない」のも「住処を与えない」のも、結局は家を清潔に保つことから始まります。普段から掃除や片付けをあまりしない家は、ネズミにとって都合のいい家になってしまうので、家を清潔に保つことが一番のネズミ対策かもしれません。
どんなに家の中のネズミを駆除しても、次から次へとネズミが侵入してきては意味がありません。防鼠金網というネズミの侵入経路を塞ぐための金網があるので、ネズミが侵入できないようにする必要があります。不要なスキマであれば板状のもので防いでも問題ありませんが、通風口の役割がある穴の場合は網でなければいけませんし、金属製でなけでばネズミに噛み千切られてしまいます。
防鼠金網を使用する時は、ネズミの侵入経路を特定して利用する必要があります。防鼠金網を取り付けるだけであれば、素人でも簡単にできますが、案外侵入経路を見落としてしまう場合もあるのです。侵入経路を防げているか不安がある場合は、プロに相談して見てもらいましょう。
もう少し本格的にネズミ対策をしたいという人には、ネズミの忌避剤(きひざい)もおすすめです。忌避剤とはネズミの嫌いな匂いを発生させて、ネズミが寄り付かないようにするものです。従来的な忌避剤には「スプレータイプ」「燻製タイプ」「設置タイプ」があります。そのほかには細菌では超音波タイプがあったり、代替策として唐辛子も効果的です。それぞれ特徴があるので、目的によって使い分けましょう。
スプレータイプはネズミに直接吹き付けて、ネズミを撃退するものです。ネズミの移動ルートが分かっている場合は、予め吹き付けて近づけさせなくする効果もあります。即効性は高いですが、持続性は数日間です。突如ネズミが現れた時に撃退する用に常備しておくのがいいでしょう。
燻製タイプは、ネズミの嫌いな成分を含んだ煙を発生する装置です。煙なので広範囲に広がり、小さなすき間にも入り込むので、一度に家中のネズミに効果があり、即効性もあります。しかし、燻製タイプを使う時は火災感知器や電子機器に影響が出ないよう注意しましょう。またペットや子供がいる家庭でも直接当たらない気をつけてください。子供のおもちゃなどにかかると、口に入れてしまう危険性もあります。
設置タイプはネズミの嫌いな匂いを発しており、ネズミの通り道に設置して使うタイプです。スプレータイプや燻製タイプに比べて、即効性がない代わりに持続性が高いので、予防として使うのに適しています。風通しのよいところに置くと、匂いが拡散して効果が薄れるので気をつけましょう。
最近では匂いだけでなく、ネズミの嫌いな電磁波や超音波を発生する機器も発売されています。燻製タイプのように広範囲に効果がありますが、子供やペットがいても利用できます。その代わり即効性は弱く、中長期的にネズミが生息しづらい空間を作ります。ネズミが好きな、コンセントの裏側にも効果が出るよう設計されています。普段外に住んでいて、餌を調達するために家に侵入してきたネズミには、効果が薄いのが難点です。
わざわざ忌避剤を使いたくないという人には唐辛子もおすすめです。唐辛子に含まれる成分「カプサイシン」はネズミが苦手とする成分なため、忌避剤に使われている場合も多いです。カプサイシンを苦手とする虫も多いため、小さなすき間などに唐辛子を置いておけばネズミだけでなく、防虫効果もあるのです。
忌避剤を使ってもネズミの被害があまり減らないという場合、家に侵入しているのはスーパーラットかもしれません。スーパーラットとは、忌避剤や殺鼠剤があまり効かないネズミのことで、最近のネズミ被害の大半は、このスーパーラットによるものだと言われています。
このスーパーラット、実はクマネズミの進化系と言われています。毒餌に強いクマネズミが何世代も通して、毒に抗体を持ったスーパーラットが生まれたのです。クマネズミは運動神経が高い上に、警戒心が強く、もともと駆除しづらい種類でしたが、進化してより厄介になりました。 通常のクマネズミであれば、毒餌を食べたあとは、長くても1ヶ月以内には絶命します。しかし、スーパーラットは平均でも約半年、個体によっては1年以上生き延びたケースも発見されています。
そんなスーパーラットに対抗するために、より強力な忌避剤や毒餌も開発されています。Amazonでも簡単に手に入り、個人でも使えますが、毒が強力なため赤ちゃんやペットが誤飲しないようにより注意が必要です。 自身でも対策可能なスーパーラットですが、より確実に被害を止めるには業者に依頼するのが確実です。業者はもともと薬剤や毒餌に頼るよりも、物理的にネズミの侵入を防ぐことを重要視しています。スーパーラットであろうと、物理的に侵入できなければ被害が出ないためより確実です。
自分でネズミを駆除できないなど様々な理由があって、専門の業者にネズミを駆除する人も増えています。ここではプロにお願いした方がいい場合を紹介するので、当てはまる方は一度業者を調べてみましょう。
市販のネズミの駆除アイテムを使ってもすぐに効果が出るわけではありません。プロに頼んでも、次の日にネズミがいなくなるわけではありませんが、プロの場合はネズミの侵入経路を塞いでから駆除業務を行うため、目にすることはほとんどないでしょう。プロはネズミの移動ルートなどを確実に把握できるためアイテムの効果を最大限活かせますが、素人の場合は試行錯誤が必要なため時間もかかります。一日でも早くネズミを駆除して欲しい場合はプロに頼むのが得策です。
ネズミは捕獲したり、殺しただけで終わるわけにはいきません。ネズミの死骸を放っておくといずれ腐敗して最近などが増え、余計不衛生となります。とはいえネズミの死骸を見るのに心理的抵抗がある人もいるでしょう。普通にゴミに出せばいいだけですが、絶対に死骸は見たくない、なんなら生きてるネズミも見たくないと言う人には自力での駆除は難しいと言えます。頼れる人もいない場合はプロにお願いしましょう。
ネズミは本来人目につかない場所に巣を作ったり移動しているため、屋根裏などに巣を作られる場合が多いです。しかし、素人が屋根裏に上るのには危険があったり、構造上登れない家もあります。その点業者では必ず屋根裏もチェックし、構造的に立ちるのが難しい場合でも点検口を作成するなど代替策を使って対策してくれます。無理して自分対策するよりもプロに相談してみましょう。
屋根裏でネズミがいる音がしたり、ネズミの気配がする分にはまだいいですが、リビングなど住空間にネズミが姿を現すのは危険です。本来ネズミは警戒心が強い動物なため、人目につくように行動することはほとんどありません。そんなネズミが住空間にまで姿を現すということは、ネズミが家に住み慣れていることを示します。それだけ長期間住み着いている可能性も高いですし、かなりの数のネズミがいることも考えられます。もはや素人が駆除するのは難しいレベルなので、プロにお願いした方が確実です。
ネズミがいる気配がしても、それが外からたまたま餌を求めて入ってきたぐらいであればさほど問題ではありません。目的を達成すれば自ずと家から出ていくでしょう。しかし、頻繁にネズミの気配がしたり、複数匹のネズミがいる気配がする時はすでに繁殖している可能性は高いです。ネズミの集団はプロにお願いしても駆除するのは難しく、時間もかかります。素人が自力で駆除できる確率は低いので、いっそのことプロにお願いしましょう。
あまりにネズミの被害がひどい、もしくは自分で駆除したけど、何度もネズミが侵入してくる場合はプロの駆除業者に依頼しましょう。ラットサインなどから効果的な駆除方法を使い、その後もネズミが侵入してこないようなアフターフォローもしてくれます。 しかし、ネズミの駆除業者であればどこに頼んでいいわけではありません。少なくとも「見積もりを出してくれる」「ネズミの専門業者」の2つの条件を揃えた業者にお願いしましょう。
プロに依頼すると、被害状況やラットサインを見つけて、実際に駆除する前に見積もりを出してくれるのが一般的です。見積もりを出してくれない業者は、高額な駆除方法を勝手に行って、後から請求してくる場合もあります。駆除作業を始める前に必ず見積もりを出してもらうようにすれば、追加料金を請求されるリスクが減るので必ず見積もりを出すよう伝えましょう。
ちなみにネズミの駆除料金は、一軒家でだいたい100,000~250,000円です。自分で対策をするよりもはるかに高額な気もしますが、これにはネズミの処分だけでなく、今後ネズミが侵入してこないように侵入経路を防ぐ防鼠工事(ぼうそこうじ)の料金も含まれています。安さだけで業者を選んでしまうと、今いるネズミの対策だけをして、結局その後もネズミに侵入される可能性もあるのです。多少料金が高くなっても、その後の対策までしっかりしてくれる業者を選びましょう。
中には10万円以下で駆除作業を行ってくれる業者さんもありますが、目先の対策であることがほとんどです。後からオプションとして防鼠工事の費用を請求される場合もあるので、料金にどこまでサービスが含まれているか確認してみましょう。
また、10万円以上する駆除業者でも、料金に幅があります。業者によって料金の基準が違いますが、基本的には「家の構造」や「被害状況」が基準になって料金が変わってきます。家の広さも影響はしますが、それ以上に構造がいかに複雑かの方が料金に影響を与えます。防鼠工事をする際に複雑な構造の家の方が対策する手間が増えてしまうからです。また新築よりも古い家の方が工事をしなければならない数が多く、その分費用もかさみます。
被害状況によっても料金は変わってきます。最近ネズミが住み着いた程度であれば、今いるネズミを追い出すだけでも効果がありますが、長期間ネズミが住み着いている家はそれだけ忌避剤が必要になります。またネズミが戻ってこないように対策が必要なので、料金が加算されていくのです。見積もりを出すタイミングで、どんな作業にどれだけ費用がかかるのか確認しましょう。
また、ネズミの駆除に対応している業者の中には、ネズミ専門ではなく便利屋の一環として、ネズミ駆除をしている場合もあります。ネズミの駆除は、一般の人が思っている以上に知識と経験が必要になります。素人同然の業者がねずみ駆除をしても、さほど効果が出ないのに高額な料金だけを請求される場合もあるのです。いくつかの業者のHPを調べて、ネズミの駆除を専門的に行っている業者を探しましょう。
ネズミはその繁殖力の強さから、確実に被害を止めるのが難しい動物と言えます。数匹でも仕留めそこなえば、そこから子供を産み、文字通り「ねずみ算」のように増えていくのです。それではいくら忌避剤や毒餌を使ってもキリがありません。 もっとも確実なネズミ対策は、物理的にネズミの侵入経路を塞ぐことですが、素人目ではネズミの侵入経路を特定するのは至難の業です。
ラットサインを見つけられたとしても、素人ではそこから侵入経路を特定することができません。 なのでプロの経験と知識を使い、一度完全にネズミ対策をしておきましょう。高額のように感じるかもしれませんが、何度もネズミの対策グッズを買うことを考えれば、長期的に見れば経済的です。ネズミ駆除のプロは今いるネズミに対策するだけでなく、これからネズミが近寄らない家にするために対策してくれるため、長期的に効果あります。
ネズミは小さな動物ですが、人を死に追い込んだり、家を崩壊させる危険もある動物です。大切な家族を守るためにも、一度ネズミ対策について考えてみませんか。