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2018.03.19
基礎知識
アライグマ

深刻な被害を引き起こすアライグマ!被害の内容や対策を解説

日本ではアニメ「ラスカル」のイメージが強く、かわいい動物だと思われているアライグマ。しかし実は農作物や家屋を荒らしたり、多種多様な病原菌を運ぶ害獣でもあるのです。興味本位で近づくと最悪死に至る危険性もあるほどです。

今回はそんなアライグマの特徴と危険を紹介し、アライグマの対策方法も紹介していきます。正しい知識を身に着けて自分の身を護りましょう。

目次

アライグマの生態

日本ではかわいいイメージが強いため、アライグマに誤った知識を持っている人も多いです。まずはアライグマがどんな動物なのか把握しましょう。

 

なんでも食べる雑食性

アライグマはなんでも果物を洗ってから食べる仕草から、キレイ好きだと思っている人もいますが、実は何でも食べる雑食性なのです。海のものから陸のもの、生きた動物や人間の食べ物でもなんでも食べます。その雑食性から比較的どんな環境でも餌を見つけて生息することができるのです。

なんでも食べるアライグマですが糖度が高いものが好きなため、果物など甘いものを好んで食べます。ちなみに食べる前の洗う動作は、食べ物を洗っているわけではなく、あまり目がよくないため擦りあわせることで手で食べ物を感じているのです。

器用な手先と高い知能

アライグマの大きな特徴として器用な前足があげられます。人と同じ5本指の足で、前足で器用にエサを持って食べる姿が印象的です。小さなすき間があれば前足を突っ込んで中のものをとることができ、水中の魚や貝も手で捕まえて食べることができます。

そして器用な足先と並んで大きな特徴なのが高い知性です。動物の中でも認知能力が高いカラスと同等、またはそれ以上の認知能力があると言われています。そのため人が仕掛けた罠が回避されるケースもあるのです。

夜間に行動することが多い

アライグマは夜行性で夜の間に活動することがほとんでです。そのため日中は天井裏や小屋などで隠れながら休んでいることが多いです。しかし必要に応じて日中に活動することもあるため、日中アライグマに遭遇する可能性もゼロではありません。

年間を通じて行動し行動範囲が広い

アライグマは冬になると寒さに耐えるために穴籠りをしますが、冬眠はせず年間を通じて活動をしています。同じ場所に長い間留まるということはあまりなく、さまざまな場所へ移動しています。オスもメスも行動範囲が広く、そのため繁殖地域は全国に広がります。

一定の場所に糞を溜める

アライグマは自分の巣の近くなど一定の場所で糞をする習性があります。これは糞の匂いによって縄張り内の情報を交換する目的があるためです。自然のなかで糞をしてもらう分には困りませんが、一度屋根裏など家の中を住処だと認識されると、放っておくと家の中に糞が溜まることになります。

アライグマの糞は悪臭を放つため、匂い自体が被害になることもあります。またひどい場合にはアライグマの糞がたまりすぎて、糞の重みで屋根裏や天井が腐って抜け落ちたり、しみ出してしたたり落ちることもあるのです。アライグマ自身もそうですが、家の近くで糞を溜められないように注意しましょう。

高い繁殖能力

アライグマは高い繁殖能力を持っており、ほぼ100%に近い確率で妊娠・出産をし、一度に3~6頭の子供を産みます。一夫多妻性で雌は一歳になると妊娠できるため、すごい勢いで増えていくのです。春先に出産するのが主ですが、個体によっては夏から秋にかけてもう一度出産するケースも確認されています。

アライグマはもともと日本に生息していた在来種ではありません。人の手で日本に運び込まれ、一時はペットとして可愛がるのが流行した時期もありました。しかし、結局人の手で飼育しきれなかった買主が自然に放ち、大量に繁殖して今に至っています。もともと日本にいたわけではないアライグマがその高い繁殖能力で、増え続けているのです。

ペットとして飼うことができない

アライグマはアニメ「ラスカル」の人気により、日本でもペットとして飼うのが流行しました。しかし平成16年に交付された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」という法律により、「特定外来生物」として人に危害を加え、農水産業に被害をもたらす生物として認定されました。

教育や展示目的として国に許可を得られれば飼うこともできますが、ペットとして飼うことはおろか販売することも禁止されています。そうとは知らず山で見つけたアライグマをペットとして飼い、書類送検されたケースもあります。

アライグマとタヌキの違い

アライグマはその姿形がタヌキに似ていることからよく間違われますが、実は生物学上は全く違う生物になります。そもそもアライグマはイタチの親戚ですが、タヌキは犬の親戚です。ここでは見分けるのが難しいアライグマとタヌキの違いを説明していきまう。

顔の違い

正面から見た時はまず顔で判断しましょう。アライグマは眉間に黒い筋があるのに対して、タヌキの眉間には黒い筋がありません。そのためかタヌキの顔の方が若干優しく見えます。またタヌキの方が身体も顔もずんぐりむっくりしているのに対し、アライグマは若干シャープな印象を受けます。

足跡の違い

実物を見なくても足跡でアライグマかタヌキか判別することができます。タヌキは犬の親戚のため、足跡も犬に似ていて手のひらと指が離れた足跡が残ります。それに対しアライグマは人の手のように指が長く、手のひらと指がくっついた足跡が残るのです。

尻尾の違い

横や後ろから見かけた場合は尻尾で判断しましょう。タヌキの尻尾は短く、模様がありません。それに比べてアライグマの尻尾は長くふさふさしており、縞模様があります。尻尾で見分けるのが一番簡単なので、迷った時は尻尾を見ましょう。

アライグマによる被害【生活編】

害獣と言われるアライグマですが、実際にアライグマがどのような被害を及ぼしているかを紹介します。まずは生活環境でどのような被害が報告されているか見てみましょう。

建物を壊し、家の資産価値が低下

アライグマにとって人の家は住処にするのはとっても快適な場所なのです。屋根裏や壁の材料に使われている断熱剤はふわふわしていて巣を作るのに適しているのです。そのため、屋根裏などに侵入したアライグマは壁などから断熱剤など引っぺがし、巣を作り子供を育てることもあります。

雨風をしのげ、他の動物から襲われる心配も少ない家屋は、安心して出産・子育てすることができるためアライグマに人気です。そうして住み着かれた家は、家の柱や壁を傷つけられたり、糞尿で床を汚されたり、最悪の場合家を壊されることもあります。家の資産価値を減らされる危険性もあるため、小動物だからといって甘く見てはいけません。

糞尿による被害を甘く見てはいけません

先述したようにアライグマには同じ場所に糞を溜めておく習性があります。一度自分の家を巣にされるとどんどん家の中に糞が溜まっていきます。アライグマの糞はそのままでも悪臭を放ちますが、放置しておくとカビが生えてさらなる悪臭を生むことになります。

匂いに気付いてアライグマの駆除を依頼するケースもありますが、匂いで気づくころには相当糞を溜められている状態です。被害箇所を直視できない場合もありますし、場合によっては掃除だけでなく被害箇所を張り替える必要があるケースもあるのです。

ペットにも被害が

ペットを飼っている人はアライグマにペットを殺される、食べられる危険性もあるので注意しましょう。雑食であるアライグマはペットで飼われている魚や鳥、亀なども餌として食べてしまうのです。

また小動物だけではなく、ネコや犬などの哺乳類をかみ殺した例もあります。ペットでネコや犬を飼っている方は襲われないように注意しましょう。

農家さんは作物にも注意

アライグマによる最も大きな被害は農作物に対する被害と言えるでしょう。頭がよく手先も器用で雑食のアライグマは、器用に果物の中身だけを食べたり、家畜のえさを食べる被害も続出しています。その被害額は3億を超えているといわれており、国としても頭を悩ませているのです。

アライグマは夜行性なため、被害に気付きにくいのも、被害が続出し拡大する要因の一つです。特に糖度の高い果物やスイカなど甘味のある野菜は大好物で、農家からの被害報告がよく出ています。あまりに被害がひどい場合は罠を仕掛けて、アライグマを捕獲しましょう。

アライグマによる被害【病気編】

アライグマの最も怖いところは、病原菌を運んでいることです。中には高い確率で死に至る病原菌も含まれているので、アライグマを退治しようと気軽に近づかないようにしましょう。

致死率の高い狂犬病

アライグマが運ぶ病原菌の中で最も怖いとされるのが狂犬病。日本では狂犬病予防法という法律により、ペットとして飼っている犬には予防接種を受けさせなければなりません。そのため日本では狂犬病にかかる人は少ないですが、これほど狂犬病被害が少ない国は世界を見ても稀で、先進国であっても狂犬病を持つ野生動物が普通に生息しているのです。

狂犬病はその名前から犬が持っている病気だと思われていますが、人間を含む哺乳類に感染して、噛まれたり引っかかれることで伝染していきます。狂犬病が発症した場合の致死率はほぼ100%と恐ろしい病気で、世界で見ても回復した人は数人といった程度です。

今のところ日本で捕獲されたアライグマには、狂犬病のウイルスは発見されていませんが、アメリカではアライグマからの感染が最も多いとされています。通常であれば短期間で死に至らしめる狂犬病が、アライグマの場合は他の動物よりも長く生き続けられるのが理由の一つです。もともと外来種であるアライグマですから、今後いつ狂犬病のウイルスをもったアライグマが日本に上陸するかはわかりません。噛まれてからでは遅いので、噛まれないように気をつけましょう。

感染症を持つマダニを連れてくる

アライグマは噛みつくだけが病気の感染経路ではありません。アライグマの毛皮に住み着いたマダニというダニによって感染症を引き起こす場合もあります。マダニは通常、家の中ではなく山や草むらなどに生息していますが、野生動物などを媒介にして人の生活圏にも入ってくるのです。マダニも致死率の高い感染症を引き起こす可能性があるため、甘くみてはいけません。

マダニによって引き起こされる感染症で代表的なものに、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」があります。発熱や頭痛、筋肉痛などの症状が発生し、死亡したケースも確認されています。ワクチンなどがないため、唯一の予防策は「マダニに噛まれないこと」です。アライグマに気付いたとしてもあまり近づきすぎないようにしましょう。

回虫によって脳神経障害を引き起こすことも

アライグマの体内でしか成虫になれないアライグマ回虫という虫がいます。アライグマにとっては何の問題にならない回虫も、人間の体内にうつると幼虫移行症という症状を引き起こし、どの部位に移行するかで大きく2つの症状に分かれます。

回虫の幼虫が移動しながら目に入り込むと「眼幼虫移行症」となります。網膜炎を発症し、視力障害として残り、最悪の場合失明に至ることもあります。

回虫の幼虫が人間に移り神経に入り込んだ場合「神経幼虫移行症」となります。脳にまで入り込んだ場合には脳膜炎などを引き起こし、一命をとりとめた場合でも発育障害や神経痛などの後遺症が残ることになります。

アライグマの腸で生息している回虫は、1日に10万を超える卵を産みますが、その卵はアライグマの糞として放出されます。そのため糞の中には回虫の卵が大量に混ざっているのです。さらに厄介なのは回虫の卵は薬剤で活動を抑えることができず、焼却などで高温処理するしかありません。

アライグマの糞が乾燥した場合には、回虫の卵が風に飛ばされる場合もあり、糞そのものだけでなく糞の周辺も大変危険なのです。もし家の中でアライグマに住まわれた場合は、駆除だけでなく糞をされた場所の消毒も徹底しなければなりません。

アライグマの侵入経路

命の危険性も脅かすアライグマですが、いったいどこから家に侵入してきているのか不思議な人もいるでしょう。ここではアライグマがどのように家屋に侵入してくるのかを説明していきます。

木登りが得意で高いところも大好き

アライグマは天井裏に住み着くことも多いですが、どうやって高いところに入っているのでしょうか。実はアライグマは5本の爪と器用な足先を使って、上手に木を登ることができるのです。そのため木登りで7~8メートルも登り、天井裏に侵入してくるのです。床下ばかりに気を取られていると頭上から家に侵入されるため、木登りすると思って対策しなければなりません。

狭いところが大好き

アライグマのサイズは柴犬ぐらいのサイズが一般的ですが、頭が入るすき間があれば侵入されると思ってもいいでしょう。また知能も高く器用なため、侵入口の前にものをおくだけでは手でどかされて侵入されてしまいます。素人目ではなかなか侵入口を見つけるのは難しいので、徹底的に穴を塞ぎたい場合は、プロに相談するしかないでしょう。

アライグマに遭遇したら気をつけたいこと

アライグマに遭遇した時には気をつけなければならないことがいくつかあります。捕獲しようと近づいてケガや病気の被害に遭う他に、法律に抵触する可能性もあるので気をつけましょう。

勝手に処分すると法律違反

実はアライグマを見つけたり被害に遭ったからといって、勝手に捕獲したり処分してはいけないのです。基本的に日本では「鳥獣保護法」という法律によって、鳥獣を捕獲するには「狩猟免許」が必要です。アライグマの場合は他にも特定外来生物なので「外来生物法」に則っての処置が必要です。

自治体によっては特定外来生物についての講習を行っているところもあり、受講すれば捕獲従事者として特定外来生物を捕獲できる場合があります。どちらにしても免許を持った専門業者にお願いするのが確実と言えます。

病原菌の宝庫なので素手でさわらないこと

アライグマが可愛いからといって見つけると素手で触りに行く人もいますが、アライグマは病原菌のデパートと呼ばれるほど雑菌だらけです。雑菌だけでなくマダニががいることもあるので極力触らないようにしましょう。

特に子連れの場合は子供がフンなどに触らないように気をつけなければなりません。現に海外では子供がフンなどに触ったことから家族が感染するケースも多いのです。アライグマの糞は匂いが強いのですぐに糞だと分かりますが、子供が近づかないよう気をつけましょう。

襲われる可能性もあるので不用意に近づかないこと

アライグマは見た目の割に性格はとても凶暴で、気性が荒いです。巣の近くに知らずに侵入してしまうと敵とみなされケガをする恐れもあります。アライグマに噛まれたり、引っかかれると感染症も心配しなくてはならず大変なので、不用意に近づかないようにしましょう。

アライグマを寄せ付けない方法

アライグマが寄ってくる家にはそれだけの原因があります。ここではアライグマが家に近づかないよう対策を紹介するので参考にしてください。

エサとなるものを放置しない

基本的に動物は餌を求めて移動しているわけですが、家の周りに生ごみなどが置いてあれば、アライグマにとっては餌も住処も同時に手に入れたようなものです。たとえポリバケツなどに入れているとしても生ごみを外に放置するのは避けましょう。

生ごみだけでなく、ジュースなどの缶に糖分の入ったジュースが残っているとアライグマの餌になってしまいます。そして意外な盲点が魚や鳥などのペット。アライグマは雑食のため、庭先で飼っている金魚や箱の中の鳥も器用に狩ってしまいます。池には網をかけたり、鳥小屋を頑丈にするなどしてアライグマに襲われないように工夫しましょう。

庭木を切る

アライグマは木登りが得意だといいましたが、家の近くに背の高い木があると、木を伝って家に侵入されてしまいます。また単純に木の上ですごすこともありますが、背の高い木の上にアライグマがいてもなかなか気づけません。特別木を育てているということがなければ、家の近くにある木を切ってしまいましょう。

侵入口を作らない

家に侵入されないためには外から侵入できる穴を全て埋めてしまうことです。アライグマの身体は柔らかいので、頭が入るほどのすき間があれば侵入されてしまいます。侵入口を塞ぐ際にはしっかり塞がないと、アライグマが開けてしまう恐れもあるので気をつけましょう。

また穴を塞ぐ際に気をつけたいのが、中にアライグマがいないか確認すること。アライグマが中にいる状態で閉じてしまうと、アライグマが逃げることもできなくなり、家の中で餓死してしまいます。アライグマの死骸を放置しておくとそのまま腐ってカビが生えたり、他の衛生害虫が発生する恐れがあるので気をつけなければなりません。中にアライグマがいないか確認するのが怖いという方は、業者にお願いして無料調査だけでも依頼してみましょう。

忌避剤を活用する

アライグマには嫌いな匂いがあるため、それらの匂いを活用するとアライグマ対策になります。庭に置くのにおすすめなのは勲煙剤やハッカ油、木酢液です。どれもホームセンターなどで市販されているものなので、買って庭に置いておくだけでも効果的です。

木酢液やハッカ油などは雨が降って流されると匂いがなくなるので、定期的に活用しなければなりません。アライグマは学習能力が高く、匂いを避けたりすることもあるため、侵入経路になりうる場所に複数活用すると効果的です。

オオカミのおしっこを利用する

オオカミは多くの動物の天敵となりますが、アライグマも例外ではありません。そのためオオカミがマーキングに使うおしっこの匂いがする場所には近づかないのです。家の周りにオオカミのおしっこの匂いをつければアライグマは近づいてはこないのです。

しかしオオカミのおしっこなんて手に入らないと思う人も多いでしょう。実はオオカミのおしっこは害獣対策に商品として売られているのです。設置や維持が簡単で一度に使う量も少量で構わないので経済的です。さらに動物の本能的な神経回路に作用しているため、匂いに慣れることがないというデータもあります。一度試してみてはいかがでしょうか。

電気柵を張る

農家の方で農作物の被害が心配な方は、畑の周りに電気柵を張るのが有効です。通常の防護柵の場合、木登りが得意なアライグマは柵を乗り越えて侵入してくるため被害を抑えることができません。電気柵は軽い電気ショックを起こしてビックリするだけなので、電気柵で動物が死ぬことはありませんが、その後電気ショックを嫌がり近づかなくなります。

アライグマ対策の第一歩は自治体に連絡

アライグマを家の周りで見つけた、侵入された跡がある場合、まずすべきことは自治体に連絡をすることです。アライグマの対策は自治体によって力の入れ具合も違いますが、どこで遭遇したかを伝えるだけでも捕獲を行う際に大いに役立ちます。

自治体によっては罠となるカゴを無料で貸し出しているところもあり、罠にかかった場合は自治体の人が処分しにきてくれる場合もあります。無闇に捕獲などすると罰則が生じる可能性もあるので、自己判断で行動しないようにしましょう。

アライグマの駆除を専門家に依頼する

既にアライグマの被害に遭っているなど、急いでアライグマの対策をしなければならない時は専門家に依頼しましょう。料金が発生しますが確実にアライグマの対策をしてくれるため安心できるでしょう。ここではアライグマ駆除の専門業者について説明します。

専門業者がやってくれること

自分でもある程度できるアライグマ対策ですが、プロは具体的にどんなことをしてくれるのでしょうか。業者がしてくれることを紹介します。

生息調査

業者がアライグマの駆除を依頼されてまずすることは、生息調査です。どこにでも生息するアライグマですが、その知能の高さから無闇に罠を仕掛けても解決するわけではありません。それ故に近辺でのアライグマの目撃情報や農作物の被害などからアライグマの生息区域や移動ルートを割り出します。

罠の設置

アライグマの生息区域を割り出せたら罠の設置です。最初の調査から最も効果的な場所に捕獲カゴを設置します。中の餌をとろうとすると入口が閉じる仕組みになっています。アライグマは足先が器用で、見た目の割に力が強いので簡単には開かない作りとなっています。

その場で処分

捕獲したアライグマを生きたまま搬送することは、法律で禁止されているためその場で処分することになっています。処分の仕方も法律で決められていますが、どの方法をとるかは業者によって違います。もちろんアライグマの死骸も法律に従って適切に処分してくれます。

侵入経路の封鎖

アライグマを処分したあとは、その後アライグマが侵入しないよう、家の侵入経路の封鎖もおこなってくれます。素人の目では、どこが侵入経路になるか気付きにくいためプロの目で見てもらうことはとても重要です。侵入経路の塞ぎ方も簡単な方法ではアライグマに破壊されてしまうため、強度の高い網ですき間を塞いでくれます。

消毒と防腐処理

専門業者の仕事は天井の消毒や防腐処理も行ってくれます。アライグマに住まれていたということは糞尿により、家屋が多大なダメージを受けていた可能性があります。また糞により細菌が大繁殖している可能性が高いため、徹底した消毒と家屋を守るための防腐処理が必要になるのです。素人が無闇に近づくと感染する恐れもあるので糞尿の処理も専門業者にお願いしましょう。

アライグマ駆除の料金相場

気になるアライグマ対策の料金の相場ですが2~10万円くらいが一般的です。被害状況や家屋の構造によって料金が全く変わってくるため、ほとんどの業者が無料で現地調査をしてくれます。作業に取り掛かる前に料金の見積もりをだしてくれるため、納得した上でアライグマ対策を依頼しましょう。

優良業者の見つけ方

アライグマを完全に駆除・対策できる業者というのは全国でもそんなに多くはありません。単純に家から追い出しても、時間がたてばすぐに戻ってきてしまうため、徹底した対策をしなければアライグマの駆除とは言えないからです。長期的にアライグマの対策をするにはアライグマの習性はもちろん、建築に関する知識を持って正しく施工しなければ意味がないのです。

中途半端な業者に依頼してしまうと、アライグマ被害が再発してまた駆除費用が発生する可能性もあるので、駆除を依頼するまえに有料業者かどうか確認しなければなりません。最後に優良業者の見分け方を教えるので参考にしてください。

アライグマの駆除・免許を保有しているか

まずはアライグマ駆除の免許・許可を持っているかです。先述しましたがアライグマの捕獲・処分には免許が必要です。便利屋のような駆除業者の場合には免許も持たずに捕獲する業者もあるため、しっかり免許を取得しているか確認しましょう。

無料の現地調査と明確な見積もりの提示

2つ目は無料で現地調査を行い、明確な見積もりを出してくれるかです。アライグマの対策には入念な調査が必要ですが、この段階で料金が発生する業者は良心的ではありません。無料で現地調査をしてくれる業者を探しましょう。現地調査をした後に見積もりだしてくれるのが一般的ですが、この時料金の項目をチェックしましょう。「駆除道具一式」など不明確な項目がある業者は信頼できません。後から追加で請求される可能性もあるため、明確に何にいくらかかるのかは確認しましょう。

保証期間があるか

最後は保証期間があるかどうかです。アライグマの対策は一時的におこなっても意味がなく、長期的に家に寄り付かないことが大切です。そのため、3~5年の保証をつけられる腕に自信のある業者を選びましょう。万が一被害が再発しても保証期間内であれば無料で対応してもらえます。

アライグマを見かけたら無理せず業者に連絡を

アライグマはそのかわいい見た目からつい近づきたくなりますが、実はどれだけ危険な害獣であるか分かってもらえたでしょうか。噛まれて傷を負うだけならまだマシですが、感染症にかかった場合は命も危険にさらされます。放置していると糞の被害や農作物被害など様々被害がでるため、見かけた時はすぐさま対処しなければなりません。

各地の自治体でもアライグマ対策はしていますが、最も効果的なのは専門業者に依頼することでしょう。プロであれば見かけた一匹を駆除するだけでなく、今後アライグマが近づかなくなるよう長期的な対策を打ってくれます。アライグマを見かけた時はすぐさま専門業者に連絡して、駆除を依頼しましょう。

 

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