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2018.02.08
基礎知識
ハチ

ハチの駆除方法を徹底解説!正しい情報がないと命の危険性も

害虫の多くはその不衛生さだったり、家を食べられるなど間接的な被害を及ぼすものがほとんどですが、直接的に人に危害を加える代表的な害虫にハチがいます。

ハチに刺されれば痛いのはもちろん、場合によっては命まで危険にさらされるのは多くの人が知っていることでしょう。

そのため、家にハチの巣などを作られた場合は、即座に対応をしなければなりません。

今回はハチの被害に遭わないために、その駆除方法などを紹介していきます。

すでにハチの被害に遭いそうな人も、今後ハチを寄せ付けたくないという人も参考にしてください。

 

ハチの種類と生態

みなさんがよく言うハチというのは、ハチ目の中からアリを覗いた昆虫を指します。世界には20万種いると言われ、日本だけでも4000種以上が確認されています。まずはそんなハチについての基礎知識から紹介していきます。

数多くの種が発見されているハチですが、日本で特に被害が多いのが「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」の3種類です。種によって性格や被害も全く違うので、まずはそれぞれの生態について紹介していきます

スズメバチ

狂暴な性格で、攻撃性の高いスズメバチは日本で最も事故件数が多いです。スズメバチの被害をニュースなどで見たことがある人も多いことでしょう。日本では16種類のスズメバチの生息が確認されており、特に被害が多いのが「オオスズメバチ」「キイロスズメバチ」「コガタスズメバチ」「ヒメスズメバチ」です。

どのスズメバチでも、女王バチが4~5月ごろに冬眠から目覚め自ら巣を作り始め、1ヶ月ほどで巣を完成させて子作りを始めます。7月ごろからどんどん巣が大きくなって、巣を守るために働きバチの活動が活性化していきます。そのため、スズメバチの被害が出るのは4~11月ごろですが、特に被害が増えるのは7~10月になるのです。

そして、狂暴な性格で人を襲うイメージのスズメバチですが、自分たちから人を襲うということは実はありません。スズメバチが人を襲うには理由があるのです。それは自分たちの巣を守るためで、気付かずに巣に近づいてきた人を敵とみなして攻撃しているのです。そのため、スズメバチに出会った時に、手で払いのけたり急に動いたりすると攻撃されたとみなされ仲間を呼ばれてしまうのです。スズメバチに出会ったとしても焦らずゆっくりその場を立ち去った方が、被害に遭う確率はグッと下がります。

またスズメバチの目は、白黒の世界に見えると言われています。そして、スズメバチは本能的に黒を敵だと認して攻撃してくる習性があるのです。つまり、スズメバチの視界には敵である黒かそれ以外の白しかありません。そのため、スズメバチの被害を抑えたい場合には、黒い髪は黒以外の帽子で隠し、明るい色(赤よりもピンク、青よりも水色といったように)を選んで身につけましょう。ハチの駆除業者を見たことがある人なら分かると思いますが、全身白の防護服を着ています。あれはハチにできるだけ襲われないようにするためなのです。

アシナガバチ

スズメバチに比べると認知度が低いアシナガバチですが、実はスズメバチ同様、刺された場合には最悪死に至る危険性もあるハチなのです。日本では11の種のアシナガバチが確認されています。スズメバチ科に属することから、生態などもスズメバチに近いと言えます。しかし、スズメバチに比べて大人しい性格なので自分から巣にいたずらなどをしなければハチから攻撃されること可能性は低いです。

アシナガバチの活動期間は3~9月と言われており、特に7~8月は巣の活動が最も活発になり、巣を守る働きも強くなります。そのためこの時期は巣に使づくだけでも、敵とみなされる攻撃されるので、無闇に巣に近づかないようにしましょう。特にハチは匂いに敏感なため、香水やジュースの甘い匂いに反応することもあります。アシナガバチの巣があると分かっている場合は、あまり近づかず匂いの発するものも持たない方が得策です。

ミツバチ

スズメバチやアシナガバチに比べたら大人しい性格をしているミツバチですが、油断していると大変な目に遭います。ミツバチは密閉空間に巣を作る習性があるため、屋根裏や床下といった家の中に巣を作られてしまうこともあるのです。一度巨大な巣を作られると、協力な繁殖力で、一気に個体数を増やします。

知らぬ間に家に巣を作られた場合、普通に生活していてもミツバチに巣を襲う敵としてみなされることもあります。特にミツバチは他のハチに比べて一つの巣における個体数が多く、スズメバチが最大1000匹程度、アシナガバチが最大100匹程度なのに比べてミツバチの巣には3~8万匹が住んでいます。そのうち大半が巣を守るために攻撃する働きバチというのがさらに厄介です。

またミツバチの巣が作られることはミツバチの被害に遭うだけではすみません。ミツバチの巣にはスズメバチが狩りにやってくることもあるのです。巣を守るために興奮しているミツバチと、強力な毒を持つスズメバチのWパンチを食らうことになるので、被害が倍増する危険性もあるのです。

さらにスズメバチに襲われたミツバチの死骸が散乱してしまうと、その死骸を餌にする害虫、害獣を引き寄せる結果にもなります。死骸からは体液も出てくるため、あまりに死骸の数が多すぎるとその体液によって天井や壁に大きなシミができてしまい、張り直しを余儀なくされることにもなります。ミツバチに巣を作られることは、さまざまな被害に繋がることになります。

スズメバチに刺されるとアナフィラキシーショックで死に至る危険性があるのは、多くの人が知っていますが、実はどのハチにさされてもアナフィラキシーショックは起こり得ます。もちろんミツバチに刺されてもアナフィラキシーショックを引き起こす危険性はあり、最悪の場合死に至る可能性があることは覚えておきましょう。

 

ハチの被害に遭いやすいのはどんな家?

他の害虫に比べ直接的な攻撃に遭いやすいハチは、巣まで作られた時にはその被害は恐ろしいです。しかし、ハチはどこでも巣を作るわけではなく、巣を作られるにはそれなりの理由があります。ここではハチに巣を作られやすい家と、その対策を紹介していきます。

ハチが巣を作るまで

ハチの巣は突如出来上がるわけではありません。新しく女王となったハチは冬眠を終えると、女王アリとして春に目を覚まして行動を開始します。いきなり巣を作り始めるわけではなく、冬眠明けで弱った身体を回復させるために栄養補給に専念します。栄養を補給してやっと、巣を作るのに適した場所を探し始めます。

巣を作るのに適した場所を見つけた女王バチは巣を作り始めますが、まずはその場所の近くで巣の材料を探し始めます。常に巣を作る場所を把握しておく必要があるためです。口にくわえて材料を運ぶのですが、この時は女王バチ一匹で少しづつ運ぶので、巣もゆっくりとしか作られません。

ある程度巣が大きくなり、産卵や子育てをするための「育房」と呼ばれる部屋が3つほどできると、やっと産卵と育児を始めます。このころまでは女王バチは単独でいるため、巣作りから産卵、育児と全ての仕事を一匹で行います。

働きバチが大きくなってくると、徐々に女王バチの代わりに巣を作ったり、餌を探しに行きます。それまで大忙しだった女王バチもこのころになると、ようやく産卵に集中できるようになります。女王バチが産卵に集中すればもちろん働きバチの数も増えますし、それだけ巣が大きくなるスピードもどんどん上がっていきます。できればこの時期で巣が発見できると被害が大きくなる前に駆除できるでしょう。

ハチが巣を作るのに適した場所の特徴

 

冬眠を終えた女王バチが巣の候補地を探すわけですが、いったいどのような場所を探して選ぶのでしょうか。基本的には、女王バチが一匹で巣を作り始めるので、安全な場所を選んで巣を作り始めます。

ここではハチが安心して巣作りをするのに選ぶ場所の特徴を紹介していきます。ちなみにスズメバチやアシナガバチというのは、下記の条件がそろっていれば周りに人がいる環境でも巣を作ります。毎年のようにハチの巣を作られる場合は、条件に当てはまらないかチェックして対策しましょう。

狭い場所

ハチは土の中ではなく、外に巣を作るため、巣が見つかりづらいというのは最低限の条件です。そのため狭い空間を選んで巣を作り始めます。

エサが近場で賄える場所

女王バチは巣の作りはじめは自分で巣を作って、自分で餌も探します。そのため、近くで餌が見つけれられる場所を選んで巣作りをするのです。

天候の影響を受けづらい場所

ハチにとって巣の安全が守られることがもっとも大事なので、雨風の影響を受けづらい場所を探して巣を作り始めます。そのため、雨風をしのげる屋内の方が巣を作るのに適しているともいえるのです。

ハチに巣を作られやすい場所

上記の条件を満たす場所は、実は家の中にたくさんあります。ハチは外から飛んでくるものだと思っていると、実は家の中に巣があったということになりかねません。これから紹介する場所に巣を作られていないかまめにチェックしましょう。

天井裏・屋根裏

天井裏、屋根裏というのは雨風がしのげるため、ハチにとって巣を作るのに適した場所といえます。天井裏などに巣を作るのは高い確率で「キイロスズメバチ」「ミツバチ」となります。家の構造的に天井裏に行きづらい家の構造もあると思いますが、ハチが巣作りを始める時期には一度確認しておきましょう。

床下

床下は雨風もしのげるうえに、餌も獲得しやすい環境になりやすいので、ハチに巣を作られがちです。床下を定期的に確認する人も少ないため、床下に作られると気付いた時には巨大なハチの巣を発見してしまうことになります。床下は他の害虫に巣を作られる場合も多いので、特に意識して確認するようにしましょう。

家の周辺

自然の中に巣を作るイメージを持っている人もいるかもしれませんが、ハチは人工物にも巣を作るケースも少なくありません。家の周辺にはエアコンの室外機や排水口の中など、ハチが巣作りをするのに適した環境がいくつかあります。全てを細かく確認するのは難しいかもしれませんが、家の周辺でハチをよく見かける場合は、家の近くに巣がないか警戒しましょう。

庭は自然の環境に近いため、さまざまな種類のハチが巣を作りがちです。庭木の上部に作るケースも多いですが、倉庫や蔵などがある場合はそこに作られる場合も大いにあります。庭でハチをよく見かけたら、上の方に巣がないか確認してみましょう。

軒下

軒下もハチがよく巣を作るスポットですが、毎日通っていても発見が遅れるケースもあります。生活圏に近い分、大きな巣を作られると被害にも会いやすくなるため、春から夏にかけて巣を作り始めるころには注意してみてみましょう。

 

ハチに出会ったら

家の中でハチにあったらどうしますか?特にスズメバチのような大きなハチと、突然家の中で遭遇したら大慌てするかもしれませんね。しかし、ハチと遭遇したときの行動によっては、命に関わることもあるので、正しい対処法を頭に入れておきましょう。

まずは慌てない

ハチに遭遇した時にまず気をつけなければならないことは、慌てないことです。間違っても自分から近づいていって駆除しようとしてはいけません。

ハチが人を襲うのは、人を敵と認識しているからであり、逆に言えば敵と認識されなければ襲われることもありません。自分からハチを追い払おうと手を出してしまうと、ハチも攻撃されたと認識されるため、もちろんハチからも攻撃されてしまいます。また気付かなかったとしても巣に近づいてしまうと、巣を襲う敵だと認識されてしまいます。近くに巣がないかも確認して落ち着いてその場を離れましょう。

カチカチという音には気をつけて

特に危険なスズメバチは、敵を襲う前にあるサインを出します。敵の周りをしつこく飛び回り、狙いをつけて空中で停止します。その後、アゴを噛み合わせて「カチカチ」という音を出してきたら攻撃してくる合図です。ハチが自ら攻撃してくることはあまりありませんが、気付かずに巣に近づいてしまったり、手で払ってしまうと攻撃態勢に切り替えることになります。

ここまできたら身を低くして逃げましょう。ハチの視界は狭いため、真下はほとんど見えていません。しかし、急に動くと余計ハチを刺激してしまうので、ゆっくり静かに動くことがポイントです。この時背中を向けるのではなく、ゆっくりあとずさりしながらその場を離れましょう。

ハチに刺されてしまったら

ハチに刺されるイコール死、と思う方もいるかもしれませんが、しっかり対処すれば生存確率も高まりますので、慌てずに行動しましょう。

ハチに刺された時にまず行うのは、ゆっくりその場から離れることです。自分から手で払ったりしていないのにハチから攻撃してきた場合は、近くに巣がある可能性もあります。そうなると別のハチが現れる可能性もあるので、刺された場所から一度離れましょう。

安全な場所に逃げたらハチに刺された箇所の確認です。特に刺したのがミツバチの場合、刺された箇所にハチの針が刺さって残っているかもしれません。針が刺さっている場合はすぐに取り除かなければなりませんが、その時指でつまんでとろうとするのは危険です。

ミツバチの針には毒嚢と呼ばれる、毒のポンプがついており指でつぶしてしまうと、余計状況が悪化してしまうからです。針と取り除く際には、ピンセットなどを使って慎重に取りましょう。

刺された箇所に針がないのを確認したら、身体から毒を取り除くことです。しかし、絶対にやったはいけないのが口を刺された箇所に充てて、吸い取ることです。自分で毒を吐き出した気になっても、実は口から毒を入れてしまうことになります。毒を取るときは、刺された箇所の周りを爪で圧迫しながら、絞るように取り出してください。近くに水道などがある場合には、水で流しながら毒を出すとより効果的です。

毒を取り除いた後は、虫刺されの薬などがあったら薬を塗りましょう。もしアレルギー持ちなどでアナフィラキシーショックなどの症状が怖いという方は、毒だしをしてすぐに病院で診てもらいましょう。

 

自力でハチの巣を駆除する場合

ハチの巣駆除は危険なので、業者にお願いするのがおすすめですが、できるだけお金をかけずに自分で駆除したいという人もいるでしょう。もし自分で駆除する場合、スズメバチ以外の危険度の低い種類のハチで、巣がまだ大きくなっていない(約10cm以内)場合の時だけにしましょう。スズメバチや大きな巣の駆除の場合は、必ずプロの業者にお願いしてください。

ハチの巣駆除で用意するもの

ハチの巣駆除には、危険がつきものなので、必ず準備は万端にしてから臨むようにしましょう。

防護服

ハチの巣駆除を行う際には必須だと思ってください。専用の防護服を用意しようとすると数万円かかる場合もありますが、地区によっては市役所などでレンタルしている場合もあります。自分で買う前に一度電話して確認してみましょう。

専用の防護服じゃない場合でも、色は必ず白のものを用意してください。黒や紺といった濃い色はハチを刺激してしまうためハチに攻撃されやすくなってしまいます。もちろん素肌の露出は絶対にNGですし、襟や袖口といったところからハチに侵入されないようにしましょう。

防蜂ネットなど頭部を護るもの

養蜂家が使う頭を保護するために帽子とネットが一体化したものです。全身の防護服は数万円はしますが、防蜂ネットであれば数千円で購入できます。またハチに巣を作られないとも限らないので、購入しておいても損はないでしょう。帽子やゴーグルなどを使って、必ず頭部の肌が露出しないようにしてください。

殺虫剤

防護服などを着ていても油断は禁物です。ハチの巣に安全に近づくために、殺虫剤を利用しながら近づきましょう。新たに買うならハチ用の殺虫剤がありますが、家にゴキブリ用など他の殺虫剤があるならそれでも代用できます。「ピレスロイド系」と呼ばれる成分が含まれている殺虫剤が特に効果的なので、もし新たに買うようであれば、含まれているものを選んで買った方がいいでしょう。

ゴミ袋と網

ハチの巣は最終的にごみ袋に入れて処分することになります。もし網があるようなら、網の中にゴミ袋をセットして使うと簡単にハチの巣を捕獲できます。

棒状のもの

防護服を着ているととはいえ、直接ハチの巣に触れるのは危険が伴います。遠くからでもハチの巣に触れるように、長い棒のようなものを用意しておけば安全ハチの巣の処分が可能になります。ただハチの巣を落とすだけなので、なんでも構いません。

ハチの巣駆除の手順3ステップ

ハチの巣駆除の道具が揃ったら早速駆除に取り掛かりましょう。できれば駆除作業は夕方~夜間にかけて行うのが得策です。ハチは明るいうちに活発に活動し、夕方からの活動は鈍ります。少し暗い中での作業になるため、照明を用意するか巣の場所や家との位置関係を明るいうちに確認して、把握しておきましょう。ハチは匂いに敏感なため、巣の駆除を行う時は整髪料や香水などは使用しないでください。

下記のステップで巣を駆除していきます。

1.巣から離れた場所で、殺虫スプレーを巣に向かって吹きかける

いきなり巣に近づくのではなく、少し離れた場所から殺虫スプレーを巣に吹きかけます。異変を感じたハチ達は巣から飛び出してきますが、焦らずに噴射を続けてください。ある程度ハチの動きがピークを迎えるまで30~60秒くらいは噴射を続けます。小さなスプレー缶や、使いかけの殺虫スプレーの場合、すぐになくなってしまう恐れもあるので予備のスプレーを用意しておくのもおすすめです。

2.長い棒で巣を駆除

殺虫スプレーでハチの動きが鈍くなったら、少し巣に近づいて用意していた棒を使って巣を落とします。この時直接地面に落とすのではなく、ごみ袋をセットした網を巣の下に用意して、その中に落とすとその後が楽です。この時は巣の危険を感じて、ハチが最も攻撃的になる場面でもあります。もう少しで落とせると思っても、身の危険を感じたら即座に諦めましょう。ハチの一斉攻撃に驚くかもしれませんが、大声を出したり急に動くと余計ハチを刺激します。何があっても慌てず行動しましょう。

3.巣の入ったごみ袋を閉じる

最後は落としたハチの巣をゴミ袋に入れます。この時まだ巣からはハチが飛び出してくるので、殺虫スプレーを吹き付けながら行いましょう。あまりにハチの数が多い場合は一度離れて落ちつくまで放置しましょう。巣を落とすことまでできれば慌てることはありません。巣の周りには殺虫スプレーによるハチの死骸が散乱していると思いますが、触って取り除いてはいけません。ハチは死骸であっても、収縮運動を続けている場合があり、死骸に刺されることもあるのです。しばらく時間がたってからハチの死骸も掃除しましょう。

ハチの巣駆除は危険を理解して万全な準備のもと行う

ここでは自力でのハチの巣駆除の方法を紹介していますが、ハチの巣駆除には大きな危険がつきものです。特別な理由がない限りは、自力でのハチの巣駆除はおすすめしません。もしされる場合は、危険性を十分理解し、自己責任で行ってください。

ハチの巣駆除を業者に依頼する

ハチの巣駆除は危険が伴うため、既にハチの巣が大きくなっている場合などは無理せず、プロの業者にお願いしましょう。多少出費は大きくなりますが、身の危険と比べたら安く感じるでしょう。

自治体にお願いする場合

まずは住んでいる地域の自治体がハチの巣駆除のサービスを提供していないか確認してみましょう。自治体によってサービスの内容も変わりますが、民間の業者にお願いするよりも安く済む場合が多いです。

自治体で提供しているサービスには「ハチの駆除を無料でしてくれる」「専門業者に依頼してくれて、費用の一部を負担してくれる」「スズメバチに限り巣を駆除してくれる」「防護服などの駆除に使う用具を貸してくれる」といったようなサービスがあります。

自治体で巣の駆除をお願いする方法

自治体に駆除のお願いをする場合、「事前申請」と「事後申請」の2つの方法があります。

事前申請は巣の駆除を行う前に、市区町村の役場(環境科や生活科)で申請を行います。申込書に必要事項を記入して窓口に提出しましょう。スズメバチなど危険性が高い場合はすぐに対応してくれるでしょう。

事後申請は、地区町村が定めたハチの巣の駆除業者に依頼して、駆除をしてもらいます。駆除が終わると、業者から役所に提出する書類を渡されるので、忘れずに受け取りましょう。渡された書類に必要事項を記入して役所に提出します。書類と一緒に、業者から渡された領収書や、駆除前と駆除後の写真も提出する場合があるので、忘れずに用意しましょう。

自治体に駆除を依頼するデメリットも把握しておこう

民間の駆除業者にお願いするよりも、低料金でハチの巣を駆除してくれる可能性のある自治体サービスですが、必ずしも満足できるサービスが受けられるとは限られません。下記のようなケースもあるので、後からトラブルにならないよう事前に確認しましょう。

  • 業者の紹介はしてくれるが、料金は通常料金
  • 自治体の職員が駆除に来る場合、専門性が低いため再発などのおそれがある
  • ミツバチやアシナガバチは対応してくれない

場合によっては駆除サービスについて全く対応してないこともあります。自治体にはあまり期待せず、自分が住んでいる役所で対応していたらラッキーくらいに捉えておきましょう。

駆除の専門業者に依頼する場合

自治体で満足なサービスを提供していない場合には、専門の駆除業者を探して依頼するのが確実です。専門業者であれば、ミツバチやアシナガバチを始めとした幅広い種類のハチの駆除にも対応してくれるほか、年中無休でお願いできます。役所などと違い、夕方以降に電話しても、そのまま対応してくれる場合も多いので、遅い時間に巣を発見した場合でも安心できますね。

専門業者だけあって駆除の効果も抜群です。役場などにお願いした場合、巣は取り除いてもハチが残っている場合もありますが、専門業者であれば確実に駆除してくれます。駆除が難しい場所にできた巣も駆除してくれるのも専門業者のメリットと言えるでしょう。

専門業者へ依頼する方法

まずはハチの巣駆除の専門業者を探しましょう。「駆除ナビ」では全国のハチの巣駆除業者が掲載されているため、自分が住んでいる地域に業者がいないか確認してみてください。

駆除ナビで、駆除業者を見つけられなかった場合、ネットで「(地名) ハチ 駆除」と入力すれば、大抵の場合検索できるでしょう。HPに載ってる電話番号に電話するのが手っ取り早いですが、電話するのが苦手な方はお問合せフォームで相談してもいいでしょう。

ハチ駆除の業者は役所よりも遅い時間まで開いてる場合が多いので、遅い時間でも即時駆けつけてくれる可能性が高いです。遠慮せずにまずは電話で聞いてみましょう。

ハチの巣駆除の相場は?

気になるハチの巣駆除を専門業者に頼んだ場合の料金に関しても紹介します。ハチの種類や巣の大きさ、場所などによっても料金が違うので一概に言えませんが、相場としてはスズメバチなど危険度の高いハチは25,000円以上、アシナガバチで約16,000円以上、ミツバチだと12,000円以上程度です。

状況によってはハチの巣の駆除が困難で、上記の基本料金の他に、追加料金が発生する場合もあります。しかし、極端に上記の料金からかけ離れている場合は悪質な業者の可能性もあるので、必ず見積もりを出してもらいましょう。

低料金でハチの巣駆除を行っている業者の中には副業的に行っている場合もあります。ハチの巣駆除は一見、巣をとるだけの簡単な作業に見えますが、ハチの習性などを熟知している業者とその他の業者では同じように駆除をしてもさまざまな違いが出てきます。例えばプロの業者であれば、巣からハチが飛び出す前に素早く駆除するため危険性が下がります。また巣の一部が残ったり、周辺を汚す心配もありません。住まいの一部を傷つけてしまった場合も原状復帰してくれるなど、終わった後の状況も全く違います。もし業者に依頼する場合には、信用できるプロ集団にお願いしましょう。

悪質業者には要注意

料金を低く抑えたいために格安すぎる業者を選んだり、逆に高すぎる料金の業者を選ぶと悪質業者の可能性もあります。ひどい場合には、駆除が不十分なだけでなく、駆除作業をすることによってさらに損害が拡大する可能性もあるのです。

悪質業者による被害の有名な例では、駆除を依頼した家が爆発炎上させられたケースもあるのです。もちろん業者としても意図的に爆発させたわけではないと思いますが、ハチ駆除のスプレーを使用した直後に発煙タイプの発火する駆除剤を利用したのが原因と言われています。専門的な知識や技術がないのに、駆除用品を使うと思いがけない被害を被ることになります。

他にも駆除が終わってから高額な駆除費用を請求したり、完全に駆除できていないのに完了報告をして駆除費用を巻き上げるケースもあります。優良業者を見分けるのは難しいかもしれませんが、業界で実績の多い業者や、適正料金の業者を探して依頼するようにしましょう。

 

ハチの巣駆除は絶対に無理をしないこと

害虫駆除の中でも最も危険度の高いハチの巣の駆除。他の害虫と違い、一歩間違えれば命の危機まであるので、安易に自分で駆除しようとしないことが大切です。もし自分で駆除する場合にも防護服や顔・頭を護るネットなど、万全な準備をして臨みましょう。

できるのなら、ハチの巣駆除は専門の業者にお願いしましょう。多少費用がかかるとしても命には代えられませんし、専門業者であればその後の予防もしてくれる場合があるので、次の年から安心して暮らせます。毎年ハチの巣を作られる不安の中で生活するよりも精神衛生的にも安全と言えます。少しでも不安があるという方は、まずは専門家に電話して相談するところから始めましょう。

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